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仙台の市井に生きた偉大な先輩のこと

2019/04/26

唐突ですが・・・この4月、以前、お世話になったおばあちゃまが身罷られたと友人が知らせてくれた。

おばあちゃまはもう100歳に手が届くような年齢。

実は、このおばあちゃまをはじめ仙台に住む90歳以上の方々にお話しを聞いた時の映像が、“映画仕立て”に編集されて短編(20分)の教材映像として「せんだいメディアテーク」のHPにある教材ライブラリーで視聴可能になっている。

せんだい教材映像アーカイブ「90歳フィルム」 https://www.smt.jp/library/teaching/archives/d14036.html

5年前、仙台市教育委員会の地域を題材とした映像教材制作事業に申請をした友人に誘われ、この映像作品の制作に携わらせていただいた。

作品の題材として、東北大学の先生が高齢者にお話を伺う「90歳ヒアリング」という研究活動を取り上げた。

なぜ、90歳なのか・・・

(5年前の時点で)90歳以上の方は、戦前に成人しており、一家の担い手として采配し、生活を切り盛りした世代で暮らしの記憶がきちんと残っている。

もちろん、一般家庭に水も電気もガスも普及していない時代で、環境負荷は今の半分以下。

この研究は、近い将来、予想される環境負荷の制約に縛られることなく、人が心豊かに楽しく暮らせる未来をつくるため、「昔に戻るのではなく、昔の知恵を新しいライフスタイルに描きなおす」ことを目的としている。

ヒアリングの現場は新鮮で、深くて、何より楽しく面白かった。

目の前で独特の存在感を放つ90歳からは、コミカルな間や豊かなオノマトペが飛び出す。

達観の領域とでも言うのか・・・時代や若い世代を否定するような言葉が出てこないということも分かった。

お一人のヒアリングが終わる度、一編の小説を読了したような充足感があった。

ヒアリングはお一人2~3時間かけて行うので、とても20分の作品には入りきらなかったが、90歳代が語る幼少期の話は、ほぼ江戸時代と変わらない生活様式の中で、自然との共存、自然への畏怖や崇拝、家族との絆、地域との協同、驚くべき知恵や工夫や技術でもって、生き生きと楽しく暮らしていたことがよく分かる。

この作品では、じっくりと話に聞き入る都会暮らしの先生と頬を紅潮させながら楽しそうに話す90歳の姿や言葉を映像で伝えたかった。

そして、映像にのこるおばあちゃまは永遠であり、私たちは学んだものを次につながなくてはならない。

長い間、仙台の市井で家を守り、家族を支えて、変わりゆく時代を見てきた大先輩のご冥福を心から祈ります。

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