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排水口から海を思ってみる

2019/05/18

毎日使うシャンプーを、天然由来、いわゆる石けん系のものに変えてから、2年以上経った。それ以前は何のこだわりも選ぶ基準もなかった。

石けん系シャンプーに変えたきっかけとなったこと。

山形県天童市にある温泉旅館を見学する機会があり、宿泊業という多忙な業態にも関わらず、社長や従業員の皆様が温かく迎えて下さった。この旅館は棋界の8大タイトルのひとつである「竜王戦」の定宿としても知られる。

この見学の目的は、環境保全や省エネルギーを推進する企業の取組みを紹介していただくことで、仙台から募った企業の方々と30名程でお邪魔した。

この温泉旅館は“温泉は自然の恩恵”であるから、「人と自然に優しい宿づくり」をテーマにしているという。

お客さまに安心・安全な食を提供するために自家農園で露地栽培した旬の食材から料理長がメニューを考案していること(それが自慢で人気の理由のひとつ)、食物残渣の堆肥化はもちろん、ゴミの分別やリサイクルも、一般家庭に普及する時期のだいぶ前から自主的に取り組んでいる。

温泉の廃湯でのロードヒーティングも行っている。

館内の太陽光パネル設備、24時間営業でも省エネにつながる照明の工夫等を説明していただきながら見学し、あらためて代表のお話を伺った。

お話の中で驚いたことが、温泉旅館(といっても相当大きなホテルである)なのに、ある契機に、思い切って浴場や厨房をはじめ全館で漂白剤や合成洗剤を使うことをやめたという。

そして、お客さんが使う浴場のシャンプーも天然由来成分のものに切り替えたと。

理由は一言。

「海を汚さない」ため。

・・・確か、ここは、仙台市からバスで山を越えてやってきた天童市。

社長の言葉に、一瞬、ポカンとしてしまったが、そうか!

川上から考えているのか!

海につながっているものね、と理解できた。

しかし、宿泊業として衛生上、諸事クリアするのは並大抵ではないことだと素人でも想像できる。

シャンプーに関しては、当初、お客さんから苦情が多かったそう。

石けん系独特のギシギシ感が馴染まず、なぜ、お金を払って不快な思いをしなければならないの?と。

しかし、めげなかったのが、すごい。

また、めげない理由もあった。

強制ではないにしろ、結局、社員の皆さんが同じシャンプーを使い始めた。

当然、お客さんからのシャンプー苦情にはたじろいだそうで、それでも会社としての思いを伝えていく内に、実際に、自分の髪の毛や頭皮に変化が起きたのを感じたそう。(実際、社員の方々の髪は見るからにコシがありツヤツヤ)

実体験がともなうと、自分の言葉でお客様に説明ができ、自信をもってお薦めできるようになる。

そして、市販品でありながら、常連のお客さんを中心に愛用者が増え、わざわざ館内の売店に購入にくる状況にまでなった。と、そんなお話があった。

業務改革はしんどいものでも、徐々に手応えや成果を感じたり、一丸となって乗り越えた後は、苦労したこと、失敗談さえも、笑いながら楽しそうに話すものなのだな、と感じた。

聞き手としては、それがむしろ心地よく、腹にストンと落ちたりする。

環境活動は、どう煽ったところで“個人的な実感”が伴わないとやらないし、続かないと感じている。(特に個人の範疇は誰に咎められるでも褒められる訳でもない)

残念ながら見学会は泊りではなかったし、自分は人の経験談の中でシャンプーのお話が心に響いたということだけ。しかし、こんな機会はやっぱり大事。

まずは自宅の排水口から海のことを思ってみようと思った次第。

その晩には同じシャンプーを探すことになり、2年経過するうちに、自宅の他の洗剤類も切り替わっていった。

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