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「宮城歴史資料保全ネットワーク」~保全は人の力~

2019/07/25

先日、「NPO法人宮城歴史資料ネットワーク(※以下、宮城資料ネット)」の活動を見学させていただきました。

この宮城資料ネットは東北大学教授(当時)の平川新先生(現・宮城学院女子大学長)が設立。

主に旧家に継承され、人間と同じく地震や津波、豪雨、洪水などの災害により、被災してしまう古文書や書画など“歴史資料”の救出とクリーニングや修復作業、データ化を行うため、大学の研究者と行政と市民が共同で活動されています。

この日は宮城資料ネット事務局長も務める、東北大学 災害科学国際研究所 准教授の佐藤大介先生にご案内いただきました。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

活動の場と事務局を東北大学青葉山キャンパスにある災害科学国際研究所の歴史資料保存研究分野研究室内に置き、週に1回のペースで市民ボランティアのみなさんがお見えになり、様々な作業を行っていらっしゃいました。

 

この団体が設立されたきっかけは、2003年の宮城県北部地震。

 

被災地の復旧過程で、倒壊した家屋や蔵などに長年眠り、所有者の記憶からも薄れている古文書などは、その価値を見いだされることもなく“ただのゴミ”として廃棄されてしまいます・・・

それらの歴史資料を、廃棄や散逸から救済すること、から始まりました。

 

 

 

 

 

 

 

そののち継続的に、地域の中に点在する歴史資料の所在確認、資料の撮影とデータ化を進めている最中、2011年の東日本大震災が発生・・・

この活動によって大震災前に幸いにもデータを残すことが出来たものの、津波のため原本を失うことになった史料も数多く、一方で、かろうじて残った史料も救出と保存のための処置が急務な状況にありました。

災害がおこる前に行動すること、そして、災害がおこってしまった時は速やかに組織的に救済の手を差し伸べることが、いかに大事であるかが分かります。

作業スペースでは、市民ボランティアのみなさんが被災地から預かった古文書や解体される旧家の史料などの撮影やクリーニング、補修、整理などを分担して作業しておられました。



災害から歴史資料を守るという活動は、現在、全国23ヶ所で行われていて、ネットワークも構築されおり、近年、各地で相次いだ豪雨等で被災した他県の史料の受け入れも行ったそうです。

ボランティアのみなさんの中には、向学心が高い方も多くいらして、自主的に古文書の解読に取り組まれているそうです。佐藤先生と勉強会を開いて習得され、今では立派な“読み手”として歴史資料の研究を支えておられるとのこと。



 

 

 

 

 

当時は不要になった紙を襖紙の下張りに再利用していたんですね。
まさか、時代を超えて、こんなに丁寧に剥がされ、解読の対象になるとは夢にも思わなかったことでしょう。(素敵な雀の襖絵もありました)


 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

 

環境と同じく、地域に紐づく歴史や文化も未来に伝えるべき、尊い宝であると思います。

歴史資料の保全は、一個人の活動では限界があります。

学術的な知見を持つ大学と共同の場があることは、個々の知識や技術の向上、同じ志を持つ仲間との出会い、組織間のネットワーク形成という点でも有効であると感じます。

 

ここにまた一つ、市民が行える”減災”の形がありました。

 

NPO法人宮城歴史資料保全ネットワーク

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