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東北ボーリング株式会社 新社屋計画 ~県内産木材伐採見学会~
2021/12/13
もう師走ですが・・・2021年の11月は暖かい日が多かったように感じます。
稲穂が垂れていた9月の立木見学会から2か月が経過。
東北ボーリングさんの新社屋建設計画の第2弾です。
社屋の木材となる伐採現場の見学にお誘いを受けて、再び、石巻市北上町の現場へ!!
原木を切り出すところを見るのも、なかなか巡り合わない機会。
今回も東北ボーリングさんから若手社員の方が勢ぞろい。一連の作業の記録係として活躍されています。
現場では、石巻森林組合の方々が準備万端、迎えて下さいました。
前回は竹林から分け入って進んだはずの伐採現場。
その竹林の脇に、きれいに作業道路が出来ています。違う場所にしか見えない・・・
先に切り出された原木。
樹齢は60年とのことで・・・ど真ん中から数えてみると、上の写真のペンで指して頂いたところで、ちょうど40!
年輪を実際に数えたことは初めてです。
年輪の説明や木にも「あかみ・しろみ」と魚のような呼び方があること等を教えて頂きました。
身のギュッと詰まったあかみ(赤身)の部分から良質な角材が取れるようになる樹齢が60年以上。
さて、伐採開始。
奥の方に倒すので、と言われ、それぞれ見学ポイントへ散って見守ります。
森林にこだまするチェーンソーの音。
三角に切り出した後は、逆サイドからまっすぐ刃を入れていきます。
木に刃を入れては、チェーンソーを持ち上げ、立ち位置や態勢を変えて、また刃を入れていく・・・
チェーンソーの音の強弱とあいまった一連のなめらかな動きは、板前さんの包丁捌きのような優雅さ。見事なものです!
チェーンソーがアイドリング音に変わると、待機していたもう一人の方が、真っすぐに切り込みが入った部分に黄色の”くさび”を3つほど当てて、勢いよくハンマーを振るい、更に深く深く差し込んでいきます。
そして、チェーンソーの音が止むと・・・メキメキと音を立てて木が傾いていき・・・
”ザンっ”という聞いたことのない大きな音を立て、しなやかにバウンドすると背が高い木が「長い木」となり横たわりました。
まだまだ瑞々しい、切り株。木くずも柔らかいっ!!
この重機がすごかった!!
何本も横たわる長いままの原木の中から、人間の手のように一本掴み上げると、軽々と持ち上げ、枝は”チェーンがついた回転するタイヤ”の様なものにしごかれてバサバサと落下。
握ったままスルスルと移動、止まったと思うと、チェーンソーと同じ音とともに木くずが噴き上がり、あっという間に長さ3~4メートルの丸太となって、切り落とされていく。
あんなに長い原木1本が、4つの丸太になる所用時間は3分かかった??位のペースです。
3本の木が丸太になる様子を、ほぼ唖然として見た後のチェーンソーの方との会話。
「丸太にする作業、人力だと・・・?」
「枝落として、一回一回、長さを測りながら・・・になりますね」
「・・・」
段差の下に落ちた丸太を拾い上げ、トラックに積み込む作業。
操縦者がむき出しで操作をしている状況が見えなかったとしたら・・・
人気を博した車が人型ロボットに変態する映画でも観ているような、とにかく流れるように淀みのない機械の動きでした。
先述の2機、そして、上の写真の2機。
大体この4台がセットとなって林業の現場で活躍しているそう。
こちらはいささかコンパクトなアタッチメントに見えますが、大きな刃が内蔵されていて、細めの丸太は、運ぶついでに切り落とせてしまう、優れもの。
林業で活躍する重機類は、平成時代にその機能と効率が格段に上がったそうです。
この伐採見学会で陣頭指揮をとられていた株式会社山大の高橋さん。
森林管理、伐採現場において、なくてはならない大ベテランの方とお聞きしました。
この記事でお伝えしていることは高橋さんから教えて頂いたことを記述してますが、長年、一つのことに関わってきた方の言葉というものは、一言、一言、重みが違うと感じました。
そして、下刈りを怠ってしまったため、藤の蔓がみっちりと絡み合って木肌を覆われてしまった近くの木を指す、高橋さん。
「あの木の状況をあなたで例えるならば、太い輪ゴムで全身括られているようなもんだよ」
見上げてみると、ところどころ葉っぱが茶色に変色しており、明らかに周りの木と様子が違っていました。
よくよく見ると、藤の蔓の根本の部分は切り離されており・・・森林の健康維持というものは、やはり人の手が必要なのですね。
さて、次の見学場所へと移動を開始する時間。
ふと見ると、東北ボーリングさんが、作業時に切り落とされた木片を大事そうに抱えて車へと向かいます。
間もなく、形を変えて、建物の一部となる原木達。
この大地にあった証ですものね。
どんな風に残されるのでしょう・・・