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講義『17世紀ローマにおける「泉」と教皇の統治』

2022/01/24

昨日、AOBAの代表が東北大学にて講義を行って参りました。

青葉山の新キャンパスにある 東北大学大学院環境科学研究科

東北大学の大学院のひとつ、環境科学研究科は『文理融合』、つまり、いつも大きく分けられがちな“文系と理系”の学術領域を融合させた教育と研究を行い、両視点から環境問題を解決するために全国に先駆けて設立された研究科です。

以下、研究科長の土屋範芳先生のご挨拶文から設立趣旨を一部抜粋させていただきます。

『東北大学は,環境問題の本質を理解し,地球と社会の持続可能性を追求する人物と学術を作り上げるために2003年に環境科学研究科を設立し,自然科学,社会科学,人文科学といった従来型の枠を越えた,新たな一歩を踏み出しました.』


 

AOBAの代表は、西洋美術史(17世紀イタリア)分野を修め、文学博士を取得しております。

一年前、研究科長からのご依頼を受けて、大学院生向けカリキュラム『環境行政論』の1コマを担当させていただきました。

ご依頼の際の講義テーマは、“美術と環境”でしたが、そもそも「環境行政」に関する講座であることも加味すると、なかなかイメージが難しいところ・・・。

検討を重ね決まった講義タイトルは『17世紀ローマにおける「泉」と教皇の統治』

古代より先進的、合理的な手法により水路を張り巡らし、良質で類まれな “水環境(水インフラ)”を人々にもたらした都市ローマ。

古代ローマの水インフラを生かし、その後も時の統治者がなした数々の水路事業、それら偉業の象徴として「トレヴィの泉」を代表とするモニュメントがローマの景観を作り上げ、今なお多くの観光客を惹きつけてやみません。

ローマの都市景観を語る上で欠くことができない建造物には、美術史や建築史に燦然と名を残す芸術家の作品を指呼の間に見ることができます。


当時の芸術家という職業は、今のそれとは大きく異なっていて、とりわけ時の権力者に庇護された者は、“美術行政”というべき一種の権力をもちえました。
その権力のもとに手がけられた作品の多くには、当時の知識人にとって、時に鋭く、あまりにも際どいメタファー(隠喩・暗喩)が含まれており・・・現代の私たちにとっては驚くことばかりです!

圧倒的な量の良質な水と芸術文化を絶えず注ぎ続けた統治者、その恩恵を享受したローマの民の間には、今とはちがう、大らかで豊かな時間が横たわっていたいたのかもしれません。


先述の大まかな柱(話題)に沿って、90分の講義が進められました。

講義が終わると、”自然と環境”に興味があるという1人の学生が代表のもとへ。

古代ローマ時代の水路についてもっと知りたいと思っているので、良本を教えてもらいたい!とのこと。

その後もしばらくの間、お話が続いてました。

この講義には、大学院生の他、数名の先生もお越しになっていらっしゃいました。

「予備知識がなくても十分に興味深く聞かせてもらった」「ローマが大好きなので、これからは違った視点で見ることができる」等の感想をいただきました。

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