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出羽国庄内藩紀行2~鶴ケ岡城跡、お殿様が暮らす町~

2022/06/15


今回の庄内藩の史跡を巡る旅のきっかけ。

以前、別の目的地へ向かう車窓から垣間見た風情ある街並みに、一目で心を奪われてしまいました。(下の写真は『大寶館』)

その後、折よく庄内を取り上げたテレビ番組を観たものだから、ますます衝動を抑えられなくなった次第。


その番組は、日本で唯一、ユネスコから「食文化創造都市」として認定された食文化の豊かさであったり

江戸時代後期に起こった「三方領地替」という歴史的な大事件(※)にまつわる内容でした。

※武蔵国(埼玉県)川越藩の松平氏、出羽国(山形県)庄内藩の酒井氏、越後国(新潟県)長岡藩の牧野氏の譜代3大名に対する転封令(引っ越しなさいという幕府からの命令のこと)、その後、撤回され、幕府権力の弱体化を露呈する結果となった。

その「三方領地替」を舞台とした小説「義民が駆ける」は、現鶴岡市出身の藤沢周平さんの歴史小説。

息遣いが聞こえてきそうな臨場感のある”庄内の言葉”でのやりとり、庄内藩主を慕い幕府からの転封命が撤回となるまで、江戸で命がけの”駕籠訴”を敢行した民衆の強かで剛健な気風には驚嘆しました。


そんな歴史・時代を経て、幕末を迎えると藩主の多くが東京へ移り住む中、”庄内の地”に住み続けた藩主の酒井家。

現在、19代目となる継嗣の方も歴史の継承と地元の発展に尽力されています。

鶴岡の人々は地元のことを、今なお思慕の意を込めて「お殿様が暮らす町」と表現するそう。


庄内酒井家は、徳川家康の第一功臣であり、”徳川四天王”の一人に数えられる「酒井忠次」から3代後、忠勝の時代に藩主として入部。

庄内藩政の中心地、酒井家14万石「鶴ケ岡城」の本丸御殿跡には、現在、酒井家の4人を御祭神とする『荘内神社(しょうないじんじゃ)』が鎮座します。


境内の手水舎(ちょうずしゃ:参拝前に手や口を清める場所)には、最近、話題の見事な”花手水”が設えてありました。

水面いっぱいに季節の花々が浮かぶ花手水は、参拝者を和やかにし、一層、清らかな心持ちへと誘います。

 

ここには、水鉢に浮かべると文字が現れる”水みくじ”もありました!


神社の他、鶴ケ岡城跡は「鶴岡公園」として市民憩いの場になっており

初夏のこの時期、あやめや花菖蒲が盛りで整然と咲き誇っておりました。


すっかり葉桜の状態ですが、ここは「日本さくら名所100選」に選出、700本を超える規模と美しさで山形県でも指折りの名所として知られているそうです。


郷土が誇る小説家 藤沢周平さんの「鶴岡市立藤沢周平記念館」もありました!

先述の庄内の史実にもとづいたもの、江戸時代の下級武士などの暮らしぶりを題材とした作品が多く、映画化された人気小説も多数。

”架空の藩”を舞台とした作品のモデルは、ここ庄内であるとされ

自然や風土、そして、地元の伝統野菜や郷土料理が度々、登場する”食”の場面での心情描写が緻密です。

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