AOBA青葉環境保全より良い環境をめざす

NEWS    〈 青葉環境保全 〉からお知らせ

学校の池、ビオトープ化なるか?~泉館山高校の挑戦~

2022/08/23

7月末、泉区長命ヶ丘にある 宮城県泉館山高等学校 にお邪魔しました!

はじめて訪問した学校ですが、過日、開催した「自然環境調査体験プログラム2022」には、この高校から4名の生徒さんにご参加いただきました。

今日は、別件です!

泉館山高校「総合科学部」の有志が、高校敷地内にある”池の美化活動”に取り組むとのお話しをお聞きしました。(下の写真が3月下旬の池の様子)


それならば、少し長期的な清掃・調査・実験や研究プランを立てて、池及び周辺の植生も含めた「ビオトープ化計画を実施するのはどうか?」とご提案。

顧問の先生と色々とお話ししたことを、株式会社エコリスの取締役会長である佐竹さんにご相談させていただいたところ、「面白そう!」とおしゃって下さいました。

計画を進めるにあたって、アドバイスをいただければ嬉しい!と思い、まずはご一緒に現状を拝見させていただくことに相成りました。

というのも・・・佐竹会長は、日本ビオトープ協会 の北海道・東北地区の委員長をお勤めになられております!これは心強い!!

校内へ訪い、なんと澁谷校長先生にもご挨拶させていただき、恐縮しながら、理科室に向かいます。

教室には、3人の男子学生さんが待っていて下さいました。(有志メンバーは4名)

そのうち、お1人は、先日の調査体験に参加下さり、後日、参加した感想を募ったところ、一番のりで「参加して良かった!」とコメントをくれた学生さん。本当にありがとう!

早速、池を見せてもらうために外へ。


人工池は手作りで、雨水のみで、ここまで至っている状態。

数年前に掃除をしたところ、トンボがいなくなったとか、毎年、カエルの卵をたくさん見かけるが、ある時期になると一斉に何もいなくなるとか、池にまつわる証言はいくつかあるそうです。


おや?・・・写真で見た感じと、いささか様子が違っているような・・・

水面下には水草が太く、わんさと生えており、水面にはハスの葉が広がり、花も元気に咲いています。

水は思いのほか澄んでいて、腐葉泥がたまっている底をつつくとプクプクと気泡が上がってきます。


池の中、周りにはセミの抜け殻、糸トンボやシオカラトンボも飛び回っていて、ハスの葉をつたってアリや小さな昆虫がたくさん往来しているのも見て取れます。

そして、地形的にちょうど丘の縁に立地しているためか、猛暑のこの日でも、心地よく涼しい風が吹き抜けていく・・・なんだかとても”良い環境”である印象。

さて、佐竹さんからは、冬季に入る前に、以下のタスクをやってみてはどうか?とのアドバイスがありました。

・徹底的に池に関係する生き物の記録と調査(詳細な同定)を進めること
生き物の同定は楽しみながら実施していきましょう!
ただ、なかなか難しい種もあると想定できるので、何かあればご相談下さい。(ここは、最強・強者揃いのエコリスの専門家がいらっしゃる!)

・ハスの葉の下の水の状態(水温、溶存酸素等)を各環境「池の上層・下層」、「池の左右(ハスの有り・無し)」を出来るだけ定期的なピッチで測定していくと、池の環境に関する傾向をつかむことが可能。

・水の循環が出来るような仕組みが作れないか?検討すること
小さいながらもビオトープの機能を有しているのは、”水”の存在があるから。
もっとも重要なのは水の循環(雨水の利用)であって、どのような状況下でも水が確保できるような工夫が必要であるとの見解。

・エリア分け(底泥の除去、ハスの侵入防止)を行うこと。
具体的には、池を半分ずつに分けて、底泥の除去とハスの除去を行う。そして、除去作業中に底泥の中やハスから出た生き物は、出来る限り池内に戻すことも重要。

顧問の先生と有志メンバーは、この4月に学校の仲間入りをされた方ばかりで、これからの調査と記録が重要になりそうです。

そして、生き物がたくさん集う植生等も学校の許可の出る範囲で挑戦していけたら、ビオトープ化も夢ではない!ですよね!!

この活動は仙台市が取り組む FEEL Sendai 杜の都の市民環境教育・学習推進会議 未来プロジェクトin仙台 の支援を受けて実施されるので、定期的な進捗報告や成果発表もあるそう。

心から応援するとともに有志メンバーの大活躍、健闘を祈ります!

PAGE TOP