AOBA青葉環境保全より良い環境をめざす

NEWS    〈 青葉環境保全 〉からお知らせ

『栗駒山』 ~世界谷地・千年クロベ~

2022/09/16


ここ数年、紅葉の時期は、近づくことさえ難しくなってしまった栗駒山。

「神様の絨毯」という賛美の景色を、我が目で確かめたいのはヤマヤマですが・・・

(今年は9月中旬から一般車両の通行制限措置がとられましたね)

夏山シーズンも終わりを迎える頃、栗駒山の見どころの一つである”世界谷地”へ出かけました。(”世界谷地”とは広い湿地という意味みたい)

栗原市内を抜け、やがて人家もまばらになると、昨年の豪雨被害なのか・・・崖崩れ後の修復と思われる道路工事がところどころある道中、整備の行き届いた大きな四阿のある公園が見えて、ちょっと休憩。

車から降りた瞬間、周囲一帯には明らかに感じるマイナスイオン。


ここは『行者滝』

水量豊かな滝は展望地からだいぶ離れているけれど、朝の清浄な空気の中、陽に透けて見える微小な水の粒。全身が包み込まれると心地良いこと、この上ない!

栗駒山は山岳信仰を集めた神聖な山。

その昔、この滝で、行者(山伏)や参拝者が身体を清めてから、山頂に鎮座する駒形根神社奥院へ向かったそう。


さて、今は夏季に人気の”ニッコウキスゲ”の時期も過ぎていて、他に人影もない「世界谷地原生花園」の入り口へ。


入り口の案内には、第1湿原500m、第2湿原まででも1.2kmの表記、「今日はハイキングだ~」と呑気なスタート。

(この後の展開をまだ知らない私。「知らぬが仏」と最初に言った人を称賛したい)


腐葉土に覆われた地面と木漏れ陽、ダケカンバの木肌の白色、葉の緑に透ける青空・・・ため息ものの美しさ。

ここは「栗駒山・栃ケ森山周辺森林生態系保護地域」
国有林の中でも、”原生的な天然林の保存”を行うことで、自然環境の維持、動植物の保護、遺伝資源の保存、学術研究に役立てる目的で認定されている地域。

ほどなく、世界谷地の湿原に到着しました。

色づく前の山並みと湿原に続く木道。

花が目立つ植物の数は少なく、あちこちに背の高いサワギキョウの姿がありました。


そして、東北自動車道のインターチェンジを降りた時から、正面にドンっと山容を誇っていた栗駒山も、この位置からだと山頂がくっきりと近く臨めます。

 

さて、栗駒山には「千年クロベ」という巨木が存在するとのこと。

クロベ:ヒノキ科・常緑高木、別名ネズコとも。

調べたら2022年5月に宮城県指定文化財(天然記念物)に指定されたばかり。

1000年っ?とは、ただならぬ!!もう神様の域の”クロベ”に会いにいくことに。


巨木に会いに行く!と言っても、おおよそ巨木だらけの山中。

横たわり朽ち果てた様子、苔むした岩と一体となっている樹など、原生的な森林とはこういう雰囲気が濃いのですね。


今回のコースは大小さまざまな”沢”があり、越えた数が過去最多。


あれれ?・・・クロベはまだか??と思いはじめた変則十字路。


急登が終わり「千年クロベ」という看板付近から尾根に差しかかった模様。

あまり人が通らない登山道なのか・・・フジバカマやススキが道の真ん中や両側から覆いかぶさっている中をかき分けて、とにかく無心に進みます。


やがて、明らかに他の樹木と一線を画す姿形と大きさの樹々が集まっているポイントに到着。

背が高くて、葉の緑がひときわ濃い、幹が太くて茶褐色がクロベね!!

と思いつつ、生い茂った草地で「千年クロベ」の案内板を見落としてしまっていた。

ちょっと引き返し、道から逸れて進むと・・・


静かに佇む、最長老の姿を目にすることができました!

空洞化しているのは、落雷によるひび割れと炭化の跡だそう(燃えたってこと?!)

1000年もの間、東北の風雪に耐え、そして、2008年に栗駒山一帯を襲った岩手・宮城内陸地震に負けずに、この姿、やはり格段の存在感。

頑強というよりも、優しげな包容力を感じる空気をまとっています。

写真には写ってませんが、現在、千年クロベの周りには立入り規制を示すロープが張り巡らされております。

この先もっともっと長く、少しでも元気な状態で、訪ねてきた人々に癒しと勇気を与えてもらえるように、樹木と周辺環境の劣化を防ぐ取組みということですね。

しばらく近くにご一緒して、「さよなら」と帰路へ。

ルートについて無計画だった訳ではないのですが、”世界谷地”に気を取られて、クロベまでの道のりに思いが至らなかった・・・スタミナ配分を間違えたみたいで。

結果、沢渡りで巨石から降りる時に尻もちをつき、対岸まで張られたロープを手に渡る際には、片足を水没させるという始末。水没は初。

でもでも、無事に帰ってくることができたのは、きっと、クロベ(仙人)達のご加護を賜ったものに違いない。

PAGE TOP