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蕎麦を手繰るだけの箸、ではなかった【山形】

2019/09/30

蕎麦が好きで・・・。ひとたび仙台から関山峠を超えれば、そこは山形。言わずと知れた日本屈指の蕎麦王国であり、とんでもなくおいしい蕎麦がそこかしこにある。

山形県東根市に4年経ってもハイペースで通い続けるお蕎麦屋さんがある。山形特有の“板そば”スタイル。太めのゴリっとした二八の田舎蕎麦。個性豊かな山形蕎麦の中で、蕎麦つゆを大根おろしで割るのが特徴。

また、蕎麦が茹で上がるまでの間に「おかずですー」と置いていかれる小皿2枚には、 “きくらげ”のお浸し&季節折々の漬物がのっている。



 

この「おかず」ファンでもある私は、長く厳しい冬を耐える山形県の保存食文化の素晴らしさにいつも圧倒されてしまう。

 



さて、いつでも大繁盛のこの蕎麦屋さんでは、一年ほど前から“お箸”が変わった。


このお箸についてのリーフレットがあり、見てみると“ホタテの貝殻”を利用した「バイオマスプラスチック」が使われたお箸とある。


 

 

 

 

 

絶品の蕎麦とおかずで、全国から押し寄せるたくさんのお客さんのお腹を満たしている良店が、こういった環境配慮の取り組みをなされていることが、個人的にたまらなく嬉しい。

しかも、この「ホタテの割り箸」を開発したのは宮城県塩釜市の株式会社 近江さん。

株式会社 近江

ずいぶんと長い間、北海道、青森などで年間20万tも廃棄されているホタテの殻の再利用は課題とされてきた。

近江さんは、青森のご友人のお話がきっかけで開発に踏み切り、2017年以降、本格的な製造を開始。

今なお、有機資源50%を超えるバイオプラスチックは世界でも希少とある。

また、今夏公表された2019年環境省「環境・循環型社会・生物多様性白書(※環境白書)」では、“プラスチック”に関して、昨年よりも大幅にページを割き、最新調査の結果などを紹介しているが、この「ホタテの割り箸」は『プラスチックを代替する新素材』として堂々、紹介されている。

令和元年「環境白書」

※「第3章 プラスチックを取り巻く状況と資源循環体制の構築に向けて」P88に掲載。

複数の環境問題の解決に貢献できそうなこの成果において、研究、開発に挑まれたことに対し、心から拍手をお送りしたい。

過日のG20でも海洋プラスチックごみを2050年までに「ゼロ」を目指すことが合意されたこともあり、今後、ますます注目度が高くなるのではないかと思う。

 

ちなみに、蕎麦のお店も下記に。

七兵衛そば東根店

※有名な大石田の「そば街道」に本店があり。こちらは東根店。

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