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岩手県盛岡市紀行2 ~啄木・賢治・ヨーグルトから千万億さん~

2022/10/23


初の盛岡市探訪。

南昌荘や旧石井県令邸を後にすると、途中、日本酒の量り売りもするスタンドバーもひやかしながら、市の中心部へ徒歩で移動。

中津川にかかる橋のたもと付近、信号待ちの向かい側に、これまた重厚感のある洋館が出現。


旧第九十銀行(南部藩士ら初の地元資本で設立された銀行)本館。

明治43年竣工、その後、所有者の変遷を経て、平成4年に金融業の役目を終えると、その後、改修され、現在は「もりおか啄木・賢治青春館」として活用されています。

岩手県の偉人と言えば、石川啄木や宮沢賢治は必ず名前が挙がるところ。

啄木と賢治と同じ森岡中学出身(すごい先輩ばっかり!)であるこの建物の設計者は、当時、まだまだ新進気鋭の若手設計技師であった横濱勉。

郷里に現存する唯一の建物とか。


国指定重要文化財という重々しい看板が掲げられた入口から中へ。

温かみのあるアイボリーの壁や天井、柱や調度品は焦げ茶で統一された空間に常設展示室と喫茶スペースがありました。

空間と調和したデザインのパネルで様々な紹介がなされており・・・一つの額縁の前で足が止まりました。

宮沢賢治が母校に求められて寄稿した詩「生徒諸君に寄せる」(未完だったため掲載はされなかった)の、さらに序文。

このメッセージがじんわり心に染み込んできた。

『この四か年が
わたくしにどんなに楽しかったか
わたくしは毎日を
鳥のように教室でうたってくらした
誓って云うが
わたくしはこの仕事で
疲れをおぼえたことはない』

長年勤めた学校教員の職を離れ、その後、農業に従事した賢治。

その生涯において、教員時代は輝きに満ちていて、どれほど彼の心を豊かにしたのかを垣間見ることができました。


銀行の心臓部は、鍵がどうのというレベルではなく、重そうで動きそうにない扉に守られた「金庫室」

このスペースに立ち入ると・・・”光と音の体験室「スバル」”が自動再生されます。

金庫の中という空間のコンパクトさを生かしたプログラムで、前後左右の壁と天井を縦横無尽に銀河鉄道が駆け抜け、岩手山を臨む景色、盛岡城址や石割桜などの名所を音と映像で旅することができます。


折も折、2階で企画展「山崎文子のデザイン50年展」が会期中。

そこには、グラフィックデザイナーの山崎文子さんが手がけた作品が数多く展示されていて・・・むっ、見慣れたパッケージ!!

我が家の定番中のド定番である「岩泉ヨーグルト」もですか!

ヨーグルトなど飲食物以外にも風呂敷や紙袋、Tシャツまであるし。

このヨーグルトのファンは全国に多く、2016年の岩泉豪雨災害により、生産停止となった時には、復活を望む多くの声が上がったのを覚えています。それほど、ファンが多い絶品、ヨーグルトの名品。


目を移せば、こちらも岩手県のお土産の定番。

誰もがきっと目にしたことがある味わい深いおばあちゃんのイラスト「南部せんべい」のパッケージ。

おばあちゃんが色んなシチュエーションで描かれていて、世界観をも併せたパッケージデザインという仕事の奥深さを見ることができました。

他、冷麺などの名産品、観光地、国体のポスターなど岩手県にまつわる作品がたくさんあり、見応えがある企画展でした。


そろそろお暇を・・・と出入口に向かうと

受付の前に飾ってある企画展開催をお祝いする胡蝶蘭の立札に目が止まりました。

えっこれ、名前??なんて読むんだっっ??岩手日報の社長さんって、本名なの!!?と止まらない疑問。

驚きの表情の私から立札と交互に目線を送られる受付の方が微笑んで「”東根 千万億(ひがしね ちまお)”と読みます」と答えて下さいました。

えぇ!と驚いていると、受付の方から以下のお話しを聞くことができました。

メジャーリーガーとして輝かしい活躍をしている岩手県人の誇り、かの太大谷翔平選手が昨年(2021年)の暮れに成し遂げたMVP受賞の快挙にあたり、岩手日報の社長自ら街頭で号外を配っている姿がニュースで流れたそうで・・・

インタビューを受けると、ほら、名前がテロップで出ますよね?

それを見た人々が「なんて読むんだ?」となり、SNSで大騒ぎになったそうです。(いわゆるバズった)

一二三(ひふみ)など漢数字が使われる人名はあるけれど、桁がなんかちょっと違う。。。

なんだか、色々と面白いなぁ。

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