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講義:17世紀ローマにおける「水」利用 

2023/01/11

年末の12月21日、東北大学にて大学院生向けカリキュラム『環境行政論』の1コマを担当させていただきました。


場所は青葉山の新キャンパスにある 東北大学大学院環境科学研究科

昨年に引き続き、内容をブラッシュアップさせたもので、「近世ローマの水利用について」講義いたしました。

講義のキモを、以下に少々。

トリクルダウン(水などがしたたりおちる、という意)という、いまや「経済理論」になっている概念は、近世のヨーロッパではじつに普通のことでした。


それを実際に体現していたかのようなローマの「水」利用の痕跡は、いまも街角のあちこちに、ほぼ当時の姿のままに見られるわけです。


つまり、有力貴族が「水」利用の一等地を占有し、その「おこぼれ」をローマの民衆が生活用水として利用するというながれが、確実に存在していました。

また、古代ローマの水道遺跡を復活させ、利用してゆくなかで、注目される下水の問題。

今回は、当時の下水道利用など、なかなか触れられない領域についても盛り込みました。

「臭いものに蓋」の歴史は、なかなか記録されるものではありません。
そうした研究の成果の一部をお見せしました。


一方で明らかになることは、我が国が、いかにエコな「循環型社会」をいとなんでいたかという事実です。

世界でも例を見ないほどに清潔な日本のトイレ文化は、そうした歴史があってこそ!と、海外の歴史に照らすことで、うかびあがるのです。

テストなどに関係ない聞き慣れない分野の話が、どれだけ響くかは、その人個人の経験や、受け入れるタイミングによるところが大きいのですが、受講の学生のまなざしは真剣そのもの。

いかがだったでしょうか(笑

東北大学の大学院のひとつ、環境科学研究科は『文理融合』、つまり、いつも大きく分けられがちな“文系と理系”の学術領域を融合させた教育と研究を行い、両視点から環境問題を解決するために全国に先駆けて設立された研究科。

教養ある国際人が求められて久しい時代、いろいろな学びに触れて、世界へ飛び立って欲しいですね!
 

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