NEWS 〈 青葉環境保全 〉からお知らせ
復興大学「現場実習」~東松島編~
2019/10/17
復興大学「現場実習」女川編の続編です。
女川をあとにした参加者一行は、一路東松島市へと向かいました。
まず、訪れたのは「ディスカバリーセンター」
ディスカバリーセンター
ディスカバリーセンターは、アメリカ合衆国の政府機関の一つである「アメリカ海洋大気庁※通称NOAA(ノア)」が開発した<科学地球儀(Science On a Sphere®※通称SOS)>が設置された施設です。
これは、日本において初の導入で、全国のどこにも無いものです!
震災後、株式会社橋本道路 社長の橋本孝一さんがデンマークにある同様の施設を訪れた際に、SOSを見る子供達の輝くような表情を見て、建設を決意したそうです。
気持ちが沈みがちな被災地において「未来を担う子供たちへ、夢と希望を抱き進んでほしい」という願いを込めて。
センター内、SOSの専用部屋に1.7mの球体(地球)があり、海・陸・大気・天体の情報が映し出されます。
真っ暗な空間の真ん中に浮かび上がる地球の姿に思わず歓声があがり、雲や海流の流れを見ていると宇宙飛行士になった気分です。
ここには数分間で視聴可能なプログラムが多数あって、要望に応じて見せて下さいます。
SOSを見せていただいた後は、東松島市商工会の会長もお務めである橋本孝一社長から、東松島市の復興状況についてお話を伺いました。
橋本社長が特に重要視されたことは、“震災がれき処理方法の確立”です。
東松島市と建設業協会は災害協定を締結しており、早い段階から大震災を想定して、課題抽出と対応のシミュレーションを怠らなかったそうです。
東日本大震災が発災後、すぐに市とともに対策本部が立ち上がり、初動指示が素早く行われ、地元主体でがれき処理を行います。
処分前の”分別作業”を徹底することで、有価物として売却可能なものが増えます。
また、木材などは微生物を使った分解方法で腐葉土にするなど、結果的に震災がれきは、95%を超えるリサイクル率となったそうです。
さらに素晴らしいと感じたことは、その分別作業が被災した方の雇用を生み、生活基盤を保つことで地元の商圏も救済されていくという、好循環を生み出したことです。
そんなに簡単な話ではないかもしれませんが、この地域循環は被災地における人々の孤立を防ぎ、生きる希望や活力につながったのではないかと想像します。
さて、今回もAOBAのベテランS課長の感想を掲載させていただきます。
************************************************************
復興大学 女川コース現場実習参加にあたって(東松島コース)
最初に訪ねた「ディスカバリーセンター」を見てびっくり。
![]() |
ディスカバリーセンターは、日本初、アメリカ海洋大気庁が開発した科学地球儀が設置された施設です。
アメリカからリアルタイムで送られてくる情報が地球儀に表示されます。
過去のデータ、予想データ等々も投影が可能で大変勉強になりました。
1960年のチリ地震が発生した時の津波伝波の状況が映しだされたり、東日本大震災の規模の大きさも驚愕でした。
また、地球全体の地震発生状況が時間を追って表示されるのを見ると、日本はあらためて地震大国であることを痛切に感じました。
このディスカバリーセンターの存在について、もっともっと情報発信をしてほしいと切に願います。
次に説明を受けた、がれき処理の方法が“東松島方式”と言われ、全国はおろか世界各国から大変評価されている事に感銘を受けました。
19品目別に実物のサンプルを置き、そこに同じものを捨てるというシンプルながら、分かりやすい方法。分別率向上を図る等々、非常に勉強になりました。
最後に、女川・東松島コースの現場実習で共通して思う事は
「迅速な復興には各長はじめ、地域の方々から信頼された強力なリーダーシップを持つ人の存在が不可欠である」
ということでした。
***********************************************************
「現場実習」の最後は、株式会社 東松島長寿味噌の工場に立ち寄らせていただきました。
株式会社 東松島長寿味噌
昨年、報道された製造元存続の危機から一転!
高砂の誇りともいえる味噌・醤油づくりの”こだわり”と「味と技を守る」職人さん、それを支えるスタッフの皆さんもそのままに復活を遂げることができたそうです。
工場長のご案内をいただき、建物の外からぐるりと一周させて頂きました。
![]() |
(換気の際に空調の室外機を伝って出てくるのですね)
![]() |
翁(おきな)と媼(おうな)マークがお馴染みの「高砂長寿味噌」はこれからも皆さまのお手元に。
この時も直売所は大賑わいでした。