NEWS 〈 青葉環境保全 〉からお知らせ
『自然環境調査体験プログラム2024』終了!(その3)
2024/07/09
五感を使った環境学習という趣旨に賛同くださる企業様から、スタッフを派遣していただくなど、有難いことに、年々、自然環境調査体験プログラムの運営体制も充実してきております。
私事、4回目にしてはじめて、活動班に同行することが出来ました。
一番、大所帯になった「両生類・爬虫類・哺乳類・鳥班(今年から鳥が一緒になりました)」での活動記録です。
全員参加のプログラム終了後、各班に分かれると調査のための装備品が渡され使い方の説明がありました。
こちらは鳥の観察用スコープで「スコープを目に当てて動かしたり、肉眼とスコープで交互に確認すると鳥は飛び立つので一瞬で見失うし、どこを見てるのかわからなくなるから、鳴き声が聞こえる方向、姿が見えた方向に固定してスコープの視野に入ってくるのを待つように」との指示。
ガサガサ用の網も渡されて、いざ出発!
ショックなことに、小さいけれど生き物がたくさんいた道路沿いの”桝”が山側から流れてきた土砂で完全に埋まってしまっていました。
それこそ、小さな生き物からしたら天変地異でしょう。
心が痛む思いですが、桝から暗渠でつながっている道を隔てた水辺に入りました。
そもそも水位もなく、気配もなければ、網に何も入らない・・・「いないものは、いない!さぁ、次!」と移動。
移動してすぐ、湿り気の多い林道脇の側溝に網を入れてみると、オタマジャクシ等がわんさと元気な姿を見せてくれました。
移動しながら、盛んに聞こえるのは、色んな鳥の鳴き声です。
しばしば足を止めて、耳を澄ましたり、姿を探しながら、先生が「この鳴き声は・・・(聞き耳をたてた途端に鳴きやむ)・・・という風に、説明しようとすると鳴き止むのは”あるある”ですね」
哺乳類は自動撮影カメラでもない限り、まず姿を確認することは不可能。
調査の上で「フィールドサイン」を見つけることが重要。
クルミの実が、見事、真っ二つに割られているものを拾い上げ、木の実の残骸の様子により、どの動物が食べたものか(つまり、ここに住んでいるということ)を見分けることが出来るという説明。
ちなみに、このクルミの実はリスが食べたもの。
そして、この少しまえに一団の先頭を歩いていた参加者2名が道路を横切るリスの姿を目撃しておりました。目視確認、うらやましい・・・。
比較的、道路から森林へ入ることが容易なエリアに差し掛かるとたくさんのカエルの姿が見られました。
1人が捕まえ始めると、逃げるカエルをみんなで追いかけたり、大きなカエルを捕まえたのに逃げられたり・・・向こうも必死だし「大きいのは足の力がハンパないんですよ」
姿形が非常に似ているカエルが2種類。見分け方を教えてもらいました。
カエルの背中の特徴(私から見るとほぼ判別がつかないレベル)、裏返して喉の辺りの色のトーン(トーン??)、カエルも大勢に見つめられて、何をされているのかも分からず、されるがままです。
捕まえる度に、究極の2択問題が繰り出されます。
フィールドサインはいくつかあって、糞もその一つ。
「誰か、拾ってリュックに入れる勇者はいないか!」との檄が飛ぶシーン。
他、イノシシの”ぬた”があり、蹄の形の特徴なども教えてもらいました。
森林の中や林道からも鳥が飛ぶ姿を見ることができました。が、やっぱり猛禽類とか見たいよね!と見晴らしの良いところまで移動してきました。
ちょうど、周辺の民家の皆さんが一斉に道沿いの草刈り作業をしているため、複数の草刈機が稼働中。。。うーん、これは難しいか。
二つくらい山を越えたあたりの上空を旋回する鳥の姿を見つけました。
スコープでも小さく見えるくらいの距離で、ノスリかな?という結論。
参加者の妹さんもいらしていたのですが、とても活発で大活躍でした。
「なんか、見つけた」と持ってきた草にアイボリーの少し固めのふわふわした丸い瘤がついています。
ベース基地に持ち帰り、植物の先生、続いて、昆虫の先生の元へ・・・虫の卵であると判明。先生がいっぱいいて贅沢。
午後の同定作業では、目視、フィールドサインをもとに確認した種をホワイトボードに書き出しました。
一覧にすると、2時間くらいの調査だとしても、たくさんの生き物の存在があることが分かります。
拾ってきた糞は匂いにも負けず、水で溶いていくとバットごとに赤紫とオレンジっぽい色味が出てきました。
今日、道端に桑の実がなっていて、初めて口にした参加者もおり、桑の実には細かい種がたくさんあるのを知っているので、見分けることができました。
その後、鳥の羽クイズ(ちょっと引っかけ問題)、頭蓋骨クイズに奮闘。
どんどん持ち込まれるエコリスさん所蔵の標本は、なかなか目にすることにないものばかり。
時間を追うごとに、笑い合ったり、自分のことを話し出したりと仲良くなる参加者の様子。
「生き物が好き」という共通の思いは、最大のコミュニケーションツールなんですね。