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開催御礼!「いきもの観察キャンプ in みちのく公園 2024」その3

2024/08/07


さて、日没を迎える頃、夜のライトトラップ(ブラックライト&水銀灯+白布/HIDライト)実施可否の判断と準備のためにエコリスの皆さんが開催地へ出発。

場所については、いくつか候補がありましたが、集合しやすい&夜なので周り環境の安全等を検討した結果、里山地区の駐車場に決定。

ライトトラップ実施可否の連絡を待つ間、みんなと気を揉みましたが・・・

一時、土砂降りだった雨も小雨になったので実施することに!

各コテージへと実施する旨を伝えにいくと、すでに帽子にヘッドライトを付けたKくんが「やるんだよね!!!」と玄関まで飛んできました。


キャンプ場から現地に向かうと、幾筋かの強い光が空に放たれていて、この光景に気分も上がるというもの。


参加者が各々到着すると早速、白布の前へと駆け寄り、集まり出した昆虫を捕まえはじめます。


HIDライトの前もくまなくパトロール。


蛾の種類はものすごく多くて、大小さまざま、色とりどり、何十種の蛾がやってきました。

毒がある蛾も混じっているので「触ってはいけない」と注意も行われます。


遠くからでも飛んでいるのが分かるくらい大きな蛾は、雨で身体が重いのか、木々にとまりながら、それでも休み休みこちらに向かってくるのが分かりました。

でも、HIDライトの方向を変えたり、台数を増やしてみたりしたものの、

残念ながら、天候も微妙だったこともあって、期待していたほど甲虫は飛んで来てはくれませんでした・・・

ライトトラップが終わる頃、「(甲虫が)いっぱい来ると思っていたのに・・・」としょんぼりしながら車に乗り込む姿もあり・・・

こちらも思わずガッカリしましたが、これも経験の一つだよね、とスタッフ談。


さて、2日目の朝です。

昨夜は興奮冷めやらぬお子さんもいらして、保護者の方から、夏休みの絵日記の1ページになることが決定した、とお聞きしました。

小野分校に集合するとすぐに、みんなで仕掛けた哺乳類のトラップ回収へ。

しかし、

残念ながら、参加者が仕掛けたトラップは全て空っぽ・・・でした。

しかし、近くにエコリスさんが仕掛けた別のエリアがあって、折りたたまれていないトラップが、一つ、静かに運ばれて行きます。

これは、もしや・・・(まだ、ナイショ)


 

小野分校へ戻ると植物の先生からのお話しがありました。


「みんな昆虫が好きみたいだけど、植物と昆虫は仲良しだから、色々覚えてみてね」との植物の専門家の先生からメッセージ。

これ、覚えてる!濃緑の散策路に真っ赤&ユニークな形でひときわ目を引きました。

「ツチアケビ」はランの仲間で、葉緑素を持たない植物だそうで。

つまり、光合成で自分で養分を作ることができないため、菌類から養分を取り込んで生きる腐生植物といわれるものとのこと。

 

続いて、鳥のお話しです。
鳴き声は聞いたけど、場所がそれぞれなので、全員で確認できたのはトビだけだったかな?

よく見るトビだけど、羽の大きさからも分かる通り、とても大きい猛禽類。

鳥の羽は部位によって形が違い、それぞれ名前と役割があります。

なかなか思うように姿を見ることができなくても、鳥の羽が落ちていることもあるので、拾ったら「羽の図鑑」で調べることも出来ます、と図鑑が紹介されました。

 

続いて、昆虫。

昨日から仕掛けていたトラップ(設置型ライトトラップとベイトトラップ)、そして昨夜のライトトラップで採集した昆虫達が並べられました。
カブトムシやオサムシなどの甲虫の姿も!


夜の活動で飛んできた「オオミズアオ」(遠くから飛んでくる姿が見えたのはコレ)

調べたら、英語では「ルナ(月の女神)」の名前がつくとありますが、夜には青白く見える薄い緑色の大きな翅と縁取りの赤が優美です。


Hくんから「今朝、捕まえたんですけど」と手があがりました。

一見、違ってみえた正体は「ハナムグリ」の色違い(色彩変異)だったみたい。

 

最後は哺乳類です。
観察用に水槽に入れられて登場したのは、2匹の「アカネズミ」!

参加者がトラップを仕掛けた東側から1匹、

そして、真反対、西側エリアにもエコリスさんの別働隊が仕掛けてくれていて、そちらから1匹。


おしりの部分、生殖器が大きく発達していて、どちらも雄とのこと。


生活圏では、あまり良いイメージがないネズミですが、森のネズミは可愛らしい。

元気に走り回り、ちょっとケンカしたり、伸びてみたり、毛繕いする様子に「かわいい!」と声があがります。

自動撮影カメラの映像を見てみると・・・

タヌキ、キツネ、アナグマ、ハクビシンの姿が、ほぼ毎日写っていました。

夜~明け方までの間、出てくる時間帯も色々あり、また、順に送っていくと人間の姿も写っていたりして。

さっきまで、みんなでいたあの場所には、夜になると色んな生きものが出てくるという事実、同じ地上、自然の中に生きているってことですね。


カメラの写真を見終わった後、哺乳類(両生類・爬虫類)の先生から、アナグマが “鈍くさい” というお話しがありました。

「視力がとても悪いということもあるのですが、人間が近くにいても気がつかないことがあるんです」

つい最近、山に入った方から「途中までアナグマと一緒に歩いていたよ(笑)」と聞いたことを思い出しました。


以上、全種の観察と説明が終わったところで、エコリスさんオリジナルのワークシートでおさらいです。

今回は、あのレアキャラも見れたから「見つけたチェック」は、ほぼクリアだね。


その後、参加者のみなさん、お一人づつ、感想をいただきました。

「普段できない経験ができて、とても楽しかった」

「同じ生きもの好きなお子さんと友達になれて嬉しかった」

採集と観察、夜のライトトラップも喜んでもらえたようで良かったです。


そして、予定していたプログラムも終わり、株式会社エコリスの藤岡社長から締めのご挨拶をいただきました。

楽しく素晴らしい体験活動実現のため、いつも会社をあげてご協力をいただき、感謝申し上げます。


雨の時もあったけど、2日間、一生懸命、活動してくださった、参加者のみなさま、本当にありがとうございました!

とにかく、お子さんは常に元気で、やる気に満ちていたのが印象的です。

生きものが大好きな子も、これから好きになる子も、楽しい体験が学びへと繋がり、自然への感謝と生きものへの慈しみの心がすくすくと育っていって欲しいと願うばかりです。

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