NEWS 〈 青葉環境保全 〉からお知らせ
令和6年度KCみやぎ産学共同研究会「雄勝石製品(地域特産品)の需要促進のための消費者動向の調査・研究」
2024/11/02
「KCみやぎ推進ネットワーク」は、平成17年から企業の技術相談窓口(ワンストップ対応)、企業への技術指導や事業化まで支援する取組みを行っています。
一方、KCみやぎのネットワーク構成機関(学術機関、技術指導機関、金融機関など)と「やってみたい!」という事業や共同研究のアイディアがあった場合、トライアル型、ステップアップ型という計画や実践に向け段階的な検討を行う”研究会活動”への助成金を獲得できる企画提案の募集があります。
令和6年度産学共同研取究会の企画提案募集(トライアル型)で「地域特産品の需要促進のための消費者動向の調査・研究 ~雄勝石製品を主としたり組み~」の申請を行い採択を受けたのが石巻専修大学経営学部経営学科 講師の菅原玲先生
東日本大震災以降、特に被災した伝統工芸品産地の事業継続支援に長年、関わったご経験から、バックキャスト思考を使った環境負荷低減、担い手の育成も含めた持続可能な事業モデルなどの研究をされています。
この研究会事業の協力メンバーとして、AOBAも参画させていただくことになり、事業計画に沿って開催される会議に参加するため、今年の9月、はじめて石巻専修大学を訪れました。
石巻市の海も山も近い自然豊かな環境にキャンパスがあり、正門から管理棟や講義棟が並ぶ建物のエリアまで、このアプローチの長さ。
車で進入すると、スポーツも盛んな大学のため、道の両側に屋外球技用のグランドがいくつもあって、とにかく広い!
今回は、石巻市雄勝の雄勝硯生産販売協同組合を対象として、消費者動向調査(アンケート企画・分析、ヒアリングと分析)を行う計画です。
10月末に東京ビックサイトで開催される「GOOD LIFEフェア2024」にブース出展をする同組合と連携してアンケート調査を実施するため、KCみやぎ事務局の宮城県経済商工観光部新産業振興課や連携窓口の宮城県産業技術総合センターの関係者にもご参加いただき、この日はアンケート設計の進捗報告や調査内容への要望、確認を行う会議が行われました。
さて、10/25(金)~27(日)「GOOD LIFE フェア 2024 ~ライフスタイルを彩る展示会~」の会場、東京ビックサイトへやって参りました。
“ストーリー”が伝わる展示会として、消費者の生活を彩る、ちょっと豊かに楽しくなるモノやコトが全国、海外からも集結する大型イベントで、地球環境配慮の視点を併せた「衣・食・住」、健康増進、学びなどの商品・サービスのアイディア、クラフト商品など”ものづくり”への熱意やこだわりを発信する600ものブースが軒を連ねます。
いつ来てもとんでもない広さの東京ビックサイト・・・このイベントは更に2フロアを使用、一つはクラフト製品(モノ・コト)等、上の階は食品と分けられているそうで、開場時間前の慌ただしい準備時間。
こちらが雄勝硯生産販売協同組合のブースです。
600年という歴史を誇る硯石「雄勝石(おがついし)」と硯の産地である宮城県石巻市の雄勝町。
戦国時代「雄勝硯」の名は全国に轟いており、各地の大名は生涯一つは持ちたいと憧れたそうです。
また、東京駅の屋根材など明治以降、急速に広がった近代建築にも広く使われていたため、現在、重要文化財級となった建物の修復にも出番が多いとのこと。
上の写真は、スレート(粘板岩を薄い板状に加工した建築材)を東京駅と同じ手法で葺かれている”触れる見本”です。
硯を使う機会が日常になくなっていき、その後、文具の時代変遷により、その硯石と硯の加工技術は、保冷・保温の石の特性から”皿”、特徴的な黒くマットな表情と品格や質感を生かして生活雑貨などへ商品展開されています。
10時開始以降、お客様、ビジネス関係の皆さんの来場は途切れることがありません。
少しの間、人の流れを確認してから・・・行き交う方々に大学の調査事業として「ライフスタイルと伝統工芸品」に関するアンケートのお願いを申し出ると・・・
我々の苦戦予想はとりこし苦労に。
協力に対する返礼品として用意した雄勝石のお香&カード立て(上記は試作品)
使い方をお知らせして、見本の一つを掌に乗せて差し上げると・・「あっ!石ですね!!」
2cm角のサイズ感、しっとりとした手触りと重み、天然石の割肌を生かした表情や角を削り落としたコロンとした形も愛らしく「かわいいですね~」と好評でした。
QRコードを読み込んでスマホから回答をいただくのですが、設問数も多く、細かな質問も多いものの、皆さんにご協力をいただき「これくらいは欲しいな~」と思っていた2倍以上の回答数を達成することが出来ました。
土日の会場は平日とはガラリと様相が変わり、ご家族連れが目立ちます。
少し遅めの昼休憩時間、上の食品フロアをのぞくと全国や海外から集まった名産品や新商品等が目白押しで、どこもかしこも大盛況。
ちょっと寂しかったのは東北地方からの出展をあまり見かけなかったことですが、福島県須賀川市を発見!
安心安全な材料・グルテンフリーの食品などがメインの模様。
可愛らしくデザインが秀逸なステーショナリーグッズのコーナーに足が止まり、ふと見上げると、そこは山形県長井市のブースでした。
これからデビューするという食材の”鯉(ブランド名は宵桜)”は昆布締めとお刺身の試食があり、全く臭みのない鯉を味わうことが出来ました。
そして、伝統野菜菊芋の味噌漬けの試食には”つや姫”、米粉のシフォンケーキ、LINE登録するともれなく”玉こんにゃく”がプレゼントされ、さらにアンケート回答後に豪華な食材が当たる抽選に参加できる仕組み。
今、注目を集めている「食材王国 山形県」の魅力を存分に発信されていました。
このフェアで多く見かけたのは全国の地方自治体、商工会議所単位でさらに複数の事業者が固まって商品や伝統工芸品や技術を紹介するブース。
早速、石巻専修大学の菅原先生が長井市の商工会の方にお話を伺います。
2年目の出展という長井市では、初年度の経験と反省を踏まえて、出展を希望する特に若手の経営者の方とチームを作りアイディアや意見を取り入れる取組みを行い当日を迎えたとのこと。
他の自治体では、個人の新規事業や小規模事業者の経営を支援する取組みの中で販路拡大のために出展しているというブースもあり、パワフルな個人事業者の方とお話しする機会もありました。
多様な購買方法が確立されている現在、伝統工芸品はもちろん、新しい商品やサービスを売るという行為にはマーケティングと戦略が必須なのだと感じました。
商業ベースの大型展示会にスタッフとして参加するのは初めての経験でしたが、展示物制作やアイディア出し、当日の対応、そして、市場調査という学びの多い、貴重な経験をさせていただきました。