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『みちのく薪びと祭り2024 in 宮城川崎』×『山村クラフト』

2024/10/21


10月14日(月・祝)に開催された『みちのく薪びと祭り2024 in 宮城川崎』

東北環境パートナーシップオフィス(EPO東北)さんが東北地方で”薪”をテーマに活動する団体が交流し活性化をはかることを目的として開催する”地域開催型交流会”。

年に1度、東北各地の持ち回り開催で、今年は宮城県川崎町が開催地、運営事務局は株式会社百となりました。

当日の朝、仙台から会場の「AONE MATKA」に到着するやいなや、予想を超える”ひんやり”とした空気に「服装、間違った!」と重ね着することから始動。

今回のミッションは「みちのく薪びと祭り2024」開会式及び講演会&トークセッションの進行と「薪マルシェ」へのブース出展です。


まず、11時スタートの「薪マルシェ」に向けてブースの設営です。

出展テーマ「山村クラフト」、出展者は”みやぎ地場産品開発流通研究会

テントは自分達で設営すると聞いていたのですが、すでに設置されていて一安心。。。

同研究会事務局である東北工業大学が保管するクラフト製品(見本品)を並べて、長年、木工を通じた地域活性に取り組み、身近な木を活用する木工技術と理念である「山村クラフト」を提唱した時松辰夫先生をご紹介するパネルを展示すると

・・・なかなか、いい感じ!


「山村クラフト」は、全国各地に産地がありますが、今回は以下、3つの産地を紹介。

北海道常呂郡 置戸町(おけとちょう)の”オケクラフト”

岩手県洋野町 大野(旧大野村)の”大野木工”

地元の宮城県登米市 津山町の”津山木工”

しかも!津山木工に関しては、登米市地域おこし協力隊(木工芸支援員)2名の方が見本品の他に販売可能な商品も持参して下さいました。


お隣のブースは・・・色んなノコギリがありますね!

”丸太をノコギリで切る”体験もできるみたいで、準備万端の様子。


覘きに行って目が釘付け・・・「旬の青森りんご」&「青森ヒバ+杉」の木箱のセットが破格のお値段。。。数量限定につき、急ぎお財布を取りに戻ることにします。


さて、「薪マルシェ」は午前にスタートしてますが、あらためて13時に「みちのく薪びと祭り」の開会式が行われ、運営事務局 中安祐太さんが高らかに開会宣言です!


主催者挨拶はEPO東北 代表の井上 郡康さんでした、が・・・挨拶をされる写真より、こちらの美しい薪割りのフォームを掲載することにいたします。(ご自身も”薪びと=薪ユーザー”とのこと)


来賓挨拶は、開催地の川崎町から奥山 隆明副町長が駆けつけて下さいました。


会場のブースでは、薪の運搬車の実演がありました。

一次産業は押しなべて従事者の高齢化、担い手不足が課題ですが、効率化や労力の軽減に向けたテクノロジーとの組み合わせも必要なのですね。


「薪ロック」なるものを引っ提げたバンドも登場しました。From岩手県 遠野!


”薪ボイラー”の実演として、1時間少々で見事な”足湯”を設置したのは「エコライフ石川」

石川県からはるばる車で運搬、紹介しに来て下さった中野さんは「将来の里山を救うのは”薪ボイラー”だと思っています!」と。

「薪を利用することは、単なるエネルギー源・地産地消というわけではなく、その奥
にある里山保全に繋がることだと考えています。何より、薪焚きのお湯の心地よさを体験してもらいに来ました」


なかなかの太さがある“丸太”切りに挑戦!

教えてもらいながら、きちんと道具を使うとショリショリと音を立てて気持ち良いほどノコギリ刃が入っていきます。

いよいよ薪が真っ二つになると、挑戦者は笑顔&見守る周辺から自然に拍手が沸き起こりました。


参加者の皆さんは、やはり”木”を活かす”ものづくり”に馴染みが深かったり、関心が高い方が多く、「山村クラフト」のスタッフの丁寧な対応も相まって、熱心なやりとりが続いていました。

そして、ブースの滞在時間が一番長かったのは、この後の講演会で登壇された京都大学 化学研究所の峰尾 恵人先生。

山村クラフトの魅力について・・・「特に”ほっこり”が気に入りました。不思議なことに、ずっと触っていても飽きませんでした。」


15時から体育館に会場を移し、講演会がはじまりました。

先ほどの峰尾先生の専門は森林政策論。
山村・伝統文化や郷土史にも造詣が深く、かつ、現在は化学研究所の有機分子変換化学領域に所属されていてご自分のことを「歩く学際研究」です、と紹介されていました。

ご講演の最後にあった「森林は地球にとって、唯一のインプットである」という言葉が印象に残りました。


その後、環境社会学がご専門である東北大学の高橋 知花先生から「過疎高齢化が進む地域における山林などの地域資源の管理の実態と活用に向けた取組み」のお話がありました。


講演が2本終了したところで、外の会場へ移動、続いては、盛んに燃える”焚き火”を囲んでトークセッションです。

朝同様、ひたひたと寒さが迫る薄闇の頃、直火の温もりとは有難いもの。

トークセッションは「50年後の薪びとを考える」というテーマ。

講演者の先生方と、ファシリテーター役の株式会社百の朏昌汰さん(農業担当)と宮川卓志さん(林業担当)が加わり、先ほどの講演内容をメインに深掘りする形で質疑応答が続きました。


こうして「みちのく薪びと祭り2024in宮城川崎」の1日目昼の部と「薪マルシェ」は無事、終了いたしました。

一般のお客様はここで解散となりますが、事前に申込みをされた方は、この後、BBQ&懇親会と宿泊、明日の午前には川崎町内のエクスカーションに参加して終了です。


懇親会に参加された皆さんが持参された東北各地の地酒の数々、壮観です。

地元民でも入手困難な限定品など、この日のために用意された方が、多数いらっしゃる模様。

「こうして”薪びと祭り”を続けていると、1年に一度、同じ志の人々がお互いのフィールドに集まって、焚き火やお酒を囲んで話すことが、実はとても意味があることに気付くんです」

最初に祭りのお話を伺った時、”薪”をテーマ(”薪”縛り)で、どう成り立つのだろう?と思ったのですが・・・上記の言葉に「なるほどな」と腹落ちする思い。

国土の67%もの面積を森林が占める日本。

その里山エリアに暮らし、森林再生と継続的な管理をすることで地域資源として活用、そして循環させることを楽しみながら、先人の知恵を現代の生活様式に落とし込んでいく”薪びと”達。

里山に新しい価値を見出し、里山”新時代”の礎となる人々なのかもしれません。

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