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「合同現地安全管理講習」に参加させていただきました!

2025/04/16


新年度を迎える直前、3月の末。

お世話になっている株式会社地域環境計画の嘉藤さんが講師を勤める安全管理講習が数社で合同開催されるとのことで参加させていただきました。

合同開催するのはいずれも自然環境調査を業務の一つとしている会社さん。

AOBAが実施する小・中・高校生を対象とした自然環境調査体験イベントでお世話になっている株式会社エコリス(仙台市太白区中田)さん。

そして、はじめましての株式会社スカイ環境研究所(仙台市若林区新寺)さんと

FRSコーポレーション株式会社(本社:北海道札幌市、東北営業所:名取市)さん。

数年前から講師資格を取得した嘉藤さんが応急手当などの技術講習を各地で実施されているとお聞きしておりました。

AOBAも屋外でイベントを開催することがあるため、応急手当に関心を示していたところ、合同開催のみなさんから快く迎えていただくことに!


長町駅のほど近く、多目的アリーナ施設のレンタルスペースが今日の会場。

集合時間には50人近くになり、参加者の多さに驚きました。

エコリスさんとは、ここ数年イベントでご一緒している方や久しぶりにお目にかかれた方との再会が嬉しかったです。

さて、事前にお聞きした情報によると、みっちりの一日の講習で、後半のロールプレイでは役割ごとにシナリオも用意されている本格的な内容とのこと。


午前は座学で「車両事故のお話」、「救急対応の基礎知識」

この講習の前提は”自然環境下での調査業務”における「もしも」の時のこと。

参加者の皆さんはもれなく車両使用が必須、東北地方は丸っと業務範囲とされている関係で高速道路の使用も頻繁な上、普段は林道や農道、堤防道路など”整備された道路”とは無縁・・・

人里離れたところでスタックや脱輪による車の損傷、鍵の紛失なんかがおきた場合、季節や時間帯によっては相当シビアな状況を招くことが想像できます。

経験値で事故を防げることが多々あるようですが、思い込みを捨て、ちょっとした確認を怠らないことで事故を未然に防ぐことが出来るそうです。


ペットボトルで心臓マッサージ(胸骨圧迫)のトレーニング。

指示された動作テンポが早い!且つ、とても体力がいる行為で数分続けるとぐったりするとのこと。

(救命救急とかテレビドラマのシーンは大袈裟な演出じゃないのかも)


応急手当の基本では、止血、きずの手当、骨折、搬送など実技を交えながら進んでいきます。

前提の2つめが調査業務中は”ほとんど2人組”

急病や転倒で横たわった大人の身体から(おそらく100%)背負っているであろうリュックを外すのも大変なら、うつ伏せの状態から怪我の確認や処置がしやすい仰向けにするのも一苦労・・・

反転させる時のポイントは要救助者の親指の付け根の方向。

あと、他人の身体って自分の足元に横たわるとすごく大きく感じます。

反応があるとかコミュニケーションが可能な状態ならまだしも、相手の意識がないとなるとお手上げな気持ちになりそうです。


ここまで救護措置にネガティブなことを言い続けておいてなんですが・・・

これは極めつき。

人を1人背負って移動するのは絶望的に無理かも・・・と思い知る場面、この平らで足場が良い状況でも難儀。

体格差の問題も如実で、紐とかの持ち物を利用して安定させ、移動効率を上げる方法は知っておくべきことだと痛感しました。


”三角巾”で負傷箇所を固定する方法は、腕の他にヒザや足首の大きな関節の固定の仕方も学びました。


清潔さを保つことも重要なので、包帯の代わりに使う際の三角巾の独特な折り方はマスターしないと!

と、ここまでが午前の部。


お昼休憩後、まず、3社が混ざる班ごとに集まることからスタート。

ここから「シナリオトレーニング」となり、各自役割が発生します。

要救助者、救助者の他、救急車等の要請連絡では的確な情報伝達もカギになるので「119番」の指令センターの役もあります。

また、病名も「転倒、アナフィラキシー(蜂と蛇)、熱中症、低体温症」とどれも現実的。

要救助者役のリアルな演技、上手すぎて笑いそうになったけど、笑うところではないから我慢。


病名(負傷の状態)ごとに、盛夏や冬季などの「季節」と「時間帯」も設定されていています。

重要なポイントになる”携帯の通じる圏内なのか、圏外なのか”、通信が可能になる公道までの移動時間や車の駐車した場所までの所要時間・・・

そういう制約を考慮した行動を考えなくてはならないということ。

今日に限り、わざと複雑にしているとか、意地の悪い設定にしているとかではなく、リアル過ぎて、想像するだけでパニックになりそう。

要救助者役のみなさんが集められて、講師の嘉藤さんから色々と細かな指示が出されておりました。(ちょっと秘密事項があるのでコソコソ)


初動にしがちなミスとして、非常に納得したことがあって

意識がある要救助者が自ら訴える負傷箇所は、聞けば「ここが痛い」と教えてくれるので後回しにしてもよいということ。(もちろんケースバイケースだけど)

まずは救助者の目で全身くまなくチェックしないと、衣服のファスナー開けたら内出血していた、しかも、こちらの方が重篤だった・・・ということもあり得ますね。


こちらは普段の持ち物として想定できる「アイテムカード」から症状改善に有効な物とか飲食物を選ぶ場面。

これらを全て携帯するのは不可能なので代替品になりそうな物などを学んでいきます。


低体温症に対して「アルミ保温シート」は、もちろん救世主アイテムですが、濡れた冷たい地面にそのまま座ったり、濡れた衣服の上から体を包んでも、効果が半減してしまいます。


講師の嘉藤さんが「状況にもよりますが・・・」とデモンストレーション。

要救助者の衣服の状況を確認すると、アウターの中に「アルミ保温シート」を差し入れていき、アンダーウエアの上から身体を包みます。

できるだけ広範囲に、頭部(フードの部分)から下半身の方まですっぽり包み込めるとベストとのこと。なるほど!

その後、出血箇所の手当中に嘔吐があり、気管に詰まらない体勢にしなきゃ!とか、午前の実技を思い出し、テキストも開きながら4つのシナリオトレーニングを終了しました。

 

自然環境下では気候や生き物や地形などにも起因して、何が起きるか分からない中でお仕事をする皆さん。

日頃から健康や体調には人一倍注意していらっしゃると思いますが、加えて事故のないように、これからも活躍していただきたいなと願うばかりです。

 

今回は運営側として学ぶことが多かったのはもちろんのこと

生き物の専門家とお子さんや学生さん達と交流をしてもらうイベントを5年続けてくると、実際に自然環境調査のお仕事に憧れを抱くお子さんやその方面へ進路を歩み始める高校生も出てきました。

これからも自然の楽しさ、素晴らしさと豊かさを守ることの大切さを伝えるほか

自然を相手にすることの厳しさとか年代に応じて理解できる範囲の危機管理も学ぶ機会にできればいいなと思いました。

自然を愛する・敬う心を持ち、異変を察知する観察眼に優れ、冷静かつ的確な判断と行動ができる、心身ともにタフな人・・・最強すぎる。

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