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『東北工芸ことはじめ』~“わし”をつくる、“わし”でつくる~【後編】
2019/12/18
和紙「を」作る、和紙「で」作る = “自分ですいた和紙で、オリジナルのブックカバーをつくろう!”
東北工芸ことはじめ
第2弾は、自分が漉いた和紙「で」つくるオリジナルブックカバー編”です。
会場は太白区大野田。近代的なマンションが立ち並ぶ一角にありました。
この地に、いかにも時代を超越した佇まいの古民家「道中庵(どうちゅうあん)ユースホステル」があります。そこだけ異空間。
建物内は、隅々まで掃き清められ、柱や手すり、廊下には、重厚で濃い光沢と角が取れた手触り。何世代にもわたり慈しんだ人の手を感じます。
ここの食堂が今日の会場です。創作意欲を高めるための環境もバッチリ。
参加者が集まり、早速、自分の漉いた和紙が手渡されます。
自分の名前を見つけると思わず笑顔が!!
はじめに東北工芸ことはじめを代表して早川さんからお話がありました。
「今日はみんな一人一人がデザイナーになります。デザインをあまり難しく考えないで自分の大好きな本に似合うカバーを作って下さい」 |
本日の講師はグラフィックデザイナー・イラストレーターの根 朋子さんです。
仙台在住。広告、CI(コーポレートアイデンティティ)、パッケージやパンフレット制作でご活躍されています。
「本のカバーを見ると、なんとなく内容が想像できると思いませんか?」という問いかけにみんながうなずきます。 |
来年2020年に使う予定の日記帳。
自分の生まれる前から家にある人気ゲームキャラクターの辞典。
お母さんが買ってくれた本やお気に入りのミステリー作家の本・・・などなど。
根さんが見せて下さった見本用のブックカバー。
淡いパステル調のテクスチャと和紙独特なぬくもり感が引き立てあってますね。
根さんの発見の一つ!!
「絵の具のマットな白色が和紙にこんなに映えると思わなかった!」
和紙のポテンシャルは未知??
まずはデザインの草案づくり。
自分の中に浮かんだイメージや好きなものを下書きしていきます。
今回は厚紙で作った”型”を使い、柄や色付けを行うので、下書きしたデザインを次は「パーツ」で考えていきます。
単純化した形の”型”の組み合わせで、下書きをどこまで表現できるかを探求します。
こちらは、”型”について、根さんと相談中。
どんなデザインが浮かぶかは、ぶっつけ本番のことなので、あらかじめ用意された”型”では限界があります。
「この中にない形があれば、言ってみて下さい、できるだけ作りますので!」
さぁ、腕に覚えのある猛者たち、いかにも手先の器用そうな”ことはじめ”メンバーの早川さんと齋藤さんの出番です。
「デザイナーさん、来て~!!」と子供達が呼ばれて、作業する齋藤さんに指示と確認です。
「ここにイメージを書いてくれる?」「大きさはこれでいい?」「このくらいの角度でいい?」・・・そうそう、こういうやりとりが”モノづくり”の肝であり、醍醐味。
こうして、自分の下書きのデザインを表現できそうなテンプレートの準備を進めていきました。
続いては、アクリル絵の具を紙皿に移して、根さんが色付けでムラがでないように注意することを教えていきます。
色が乾くのを待ちながら、和気あいあいと、次に使う色のお皿の順番待ちです。
「グラデーションやぼかし、色の重ねづけ・・・私がやらないことも、子供達はサラッとやるんですよねー」と根さん。
絵の具が乾くのを待って。いよいよ持参の本に装着してみます。
最後に自作のブックカバーを手に工夫した点やデザインのポイントなどを発表しました。
参加者の女の子の作品。
「小説の主人公は最初は暗い気持ちだったけれど、最後には希望を持って明るい気持ちになれて、新しい世界に旅立つストーリーだったので」
ステキなデザインですね。
そして、最後にみんなで記念写真を撮影したところでワークショップが終了。
さて、2回の連続ワークショップの様子を見ていて感じたことは、”モノづくり”と対峙する姿勢って、本当に人それぞれ。
でも、自分の思いを表現することや好きなことをやりきることは、大変なこともあるけど・・やってみたら楽しい!そんなことを実感するワークショップ。
何故なら、職人さんやプロは、ちっとも子供扱いしないし。
”道具”も”材料”もホンモノだし、粗末にできない。
ならば、緊張もするし、自分でやりきるしかない。
だから、達成感が違ってくる。
これからも、子供たちの自主性や主体性、アートな感性を刺激しまくる
”一歩進んだワークショップ”
の企画を、是非、期待したいと思います。
参加者の皆さま、東北工芸ことはじめの皆さま、ありがとうございました!
★『とうほくこうげいことはじめ』の詳細は以下、公式HPで!!