NEWS 〈 青葉環境保全 〉からお知らせ
松島 四大観 麗観「富山」
2020/01/31
令和2年が始まり、早くも一ヶ月が経過。
さて、毎年、牡蠣が旬の時期に奥松島の東名漁港へ出かけています。
観光客で賑わう松島を過ぎ、奥松島方面へ。
日本三景・松島の海は相変わらず美しいですが、震災後、車窓からでも海面を高く感じるほどの地盤沈下がところどころあります。
復旧工事で移りゆく景色の中、通るたびに目にしていた変わらないものがありました。
それはそれは見晴らしが良さそう!な山の際に、お堂らしき風情のある建物。
いつも気になっていたので、接近してみることに。
この景色が見えるあたりから道路は登り車線になりますが、ちょうど山の中腹に「富山観音」という看板と側道があり、少し走ると山頂への登り口が見えたので下車。
階段の登り口には、説明板(QRコード付き)がありました!
日本遺産認定 政宗が育んだ”伊達”な文化 富山観音堂・梵鐘
登り口から覗くと晴天の日差しを遮る樹々の間を縫うように苔むした先の見えない階段が続いてました。
覚悟はしてましたが、なかなかの階段の数・・・でも、段差は低く、勾配もそれほどきつくはありません。
森閑とした空気の中、自分の息切れの音だけ、やけに耳に響きます。
登りきると空の青に赤色。目にも鮮やかな富山観音のお堂の姿が!
富山観音(とみやまかんのん)は、あの坂上田村麻呂が創建したという観音堂。
牧山観音(石巻市)・箟嶽(ののだけ)観音(涌谷町)とともに、奥州三観音と称され、いにしえから多くの信仰を集めているそう。
お堂は伊達政宗の長女・五郎八姫が1654年に改修させたもので、石積みの基壇(※建物の土台部分)は珍しく、梵鐘も五郎八姫が寄進。
あとから分かったことですが、道路から目にしていた大きな屋根の建物は「大仰寺」
こちらには、五郎八姫の遺髪などを寺宝(門外不出)としており、伊達家との縁の深さを感じます。
さて、観音様の鎮座するこの場所こそが、そもそも ”麗観「富山」”と呼ばれる松島湾の絶景眺望スポット「松島 四大観(しだいかん)」の一つ。
※ちなみに他の三つが、偉観「多聞山」(七ヶ浜町)、壮観「大高森」(東松島市宮戸)、幽観「扇谷」(松島町)。仙台藩の儒学者・舟山万年さんが名づけ親なんですね。
昔から「松島の景、ことごとく富山に在り」と賞され、明治天皇も登られたという由緒ある眺め。
写真はパノラマ撮影じゃないと収まりきりません。
いい眺め、いい空気、帰りの階段では余裕もできて、林の中を行き交う鳥達のさえずりを聞きながら、気分よく家路につきました。
それはそうと。
今回だけでも、日本三景、四大観、奥州三観音・・・なんだか3とか4とか言われてしまうと、コンプリートしてみようかな、と思う次第。