NEWS 〈 青葉環境保全 〉からお知らせ
アタラシイセイカツヨウシキ
2020/07/07
小学生の時、学校行事の蔵王登山で、大雨と雷に遭遇してしまい(山頂の雷は地を這うと聞きましたが)・・・なんとなく避けていた“登山”
あれからウン十年、身も心も遠く、仙台市内から眺めるくらいだった蔵王連峰でした。
そんな折、突然、到来した”ウィズコロナ”時代。
『新しい生活様式』という言葉を聞いた時、「今までと同じようにはいかないよ?」という強烈なメッセージを受け取った気がした。
であれば、理由もあいまいな苦手意識や敬遠していたことを、棚卸しのつもりで、もう一度、自分の心身に訊いてみようかと思った次第。
登山も趣味という風流の先輩から「このレベルで試してみたら?」とのお導きも手伝って・・・ハイキングコースの定番、駒草平~刈田岳(お釜があるところ)へ。
当日は、抜けるような晴天が広がって、山頂付近は微風という絶好なお日和。
駒草平までの車中、本当に麓から山頂目指して歩いている登山者やロードバイクを立ち漕ぎする人々に舌を巻きつつ進みます。
標高が高くなり、耳に閉塞感が現れる頃、道路両側に広がる森林の中から大音量の“鳴き声”が聞こえてきた。
昨今、走行音が静かな電気自動車の中、話し声も聞き取れないほどのボリューム。
何やつ?と思っていたら、”蝦夷春蝉(エゾハルゼミ)”という、夏先取りの蝉がいるとのこと。
さて、まだ駒草が咲くには少々、早かった時期。
駒草平のすぐそばにある登山口から人生2度目、成人してからは初めてのハイキングに出発。
ガラガラした石場もないし、整備されているコースなので歩きやすい(登りやすい)。
自分の足で一歩一歩と地を踏みしめる度、先ほどまで、見上げていた雪渓が目の前に広がっていく。
出発地点からの眺望にも感動したけれど、自分自身の目の高さで景色が変わっていく感覚は、“動力は自分”という、ある種の快感が生まれます。
どんどん上へ、空に近くなっていく感覚。
いつもとは真逆で、山から仙台市内を眺めるのは、まことに爽快な気分。
刈田岳山頂。1758m。
蔵王刈田嶺神社・奥宮(ざおうかったみねじんじゃ・おくのみや)が鎮座する地。
残雪とのコントラストが美しい、抹茶みたいなお釜を眺めながら、自力でここまで来たという達成感に浸ること、しばし。
水から沸かしたお湯でいただく贅沢なコーヒーは格別の味でした。
しばらくすると、身なり、装備品からもハイキングのベテランとお見受けする人々が集まってこられた。
刈田岳山頂が”待ち合わせ場所”のご様子。
お互いに記念写真を撮りながら、口々に「あけましておめでとうございます」???と。
このご時世、久しぶりの外出&登山&お仲間との再会だったのでしょうか。
無沙汰の挨拶を交わしながら、三々五々、さらに見上げる位置にある地蔵岳の方面に悠々、移動を開始。
遠ざかっていく姿に少し憧れを抱く自分を感じながら、帰路につきました。
新しい生活様式・・・自由が減ったとか、気儘にいられない、ということではないのかも。
山頂から見た”人の集合体”の中、それなりの制約やそれぞれ責任や役割はあるけれど
自分の人生の営み方をたまには真剣に考えて、工夫してみて、より豊かに幸せにすることを見つけることかもしれない、と思った。