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現地視察会【その1】「新協地水株式会社」

2021/03/14

宮城県が主宰する「みやぎ地中熱利用研究会」は”地中熱エネルギー”の利用促進と関連産業の育成を目的として2018年に発足。

今年度、みやぎZEB研究会と合同で”現地視察会”が開催され行って参りました。

乗車率50%とした貸し切りバスと参加企業単位の自動車使用による現地集合という移動手段で一路、福島県郡山市へ。

視察先、1か所目の新協地水株式会社さんは郡山西部工業団地にあります。

新築したZEB化社屋、地中熱と太陽光を併設したエネルギーシステムと利用状況を実際に見せて頂くのが目的。

新協地水さんは、地質・土質・岩盤調査、地下水・温泉の調査および開発、水道水源開発工事、水源・給水および水質処理設備の保守管理など・・・「土と水」を営業種目として扱っていらっしゃいます。


新社屋(本社・再生可能エネルギー研究開発施設)は、減らしたエネルギーと創り出すエネルギーの収支をゼロにしたネット・ゼロ・エネルギー・ビル(通称:ZEB)。

省エネ技術で52%削減 創エネ技術と併せて103%を達成。

創エネ技術として、再生可能エネルギーを活用するために太陽光発電と蓄電システム。
省エネは、高効率照明と空調に地中熱利用をプラスした”エネルギーを無駄なく効率的に使う(アクティブ技術)”、そして、日射遮へい、外皮性能向上、昼光利用、自然換気などの”必要なエネルギーを減らす(パッシブ技術)”が採用されているそうです。

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敷地面積  6203.27㎡の建物や設備に施されている建材や設備機器は以下の通り。

・社屋 — 木造 2階建て 、延べ 419.38㎡[CLT材(直交集成板)を全面に使用]

・倉庫棟 —– 木造 床面積 425.88㎡[CLT材(直交集成板)を全面に使用]

・地中熱源対応水冷式ビルマチシステム— 定格出力:冷房 28.0kW 、暖房 31.5kW

・ボアホール型地中熱交換器 — 100m×6本(ダブルUチュー)

・太陽光発電 — モジュール容量: 27.45kW 、PCS:27.5kW

・蓄電池 — 容量:9.9kWh ×3台

・高性能エアコン — 冷房能力:5.0kW、暖房能力:5.6kW 7台

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はじめに全体説明をスクリーンを使って行っていただきました。

新協地水さんには私達のような見学希望が多数舞い込んでいるため、説明データや資料も準備万端でいらっしゃいます。


 

 

 

 

 

 

地中熱利用システムは地中の安定した熱環境を利用するもの。

地表から10m~100m程度の地中の温度は年間通してほぼ一定。

つまり地中温度と外気温との温度差が生じる(夏は外気よりも冷たく、冬は外気より暖かい)、この”差”を利用してヒートポンプの熱源とするシステム。

地中熱ヒートポンプを利用した冷暖房は通常のエアコンよりも高効率で、消費電力を3~4割削減できるとのこと。

不凍液が循環するUチューブの埋設状況が分かるように寒い中、開けて見せて下さいました。


 

 

 

 

 

 

そして、屋内に戻ると地中熱ヒートポンプシステム。ここで相当量の高効率化がはかられているそうです。


 

 

 

 

 

 

新協地水さんには”資源開発部”があり、自社で導入したシステムのデータ収集と評価を行いながら研究開発を重ねて地中熱利用の普及に貢献されています。

1mピッチでリアルタイムな地中温度が分かるシステムも。


 

 

 

 

 

 

(下の写真)パワーコンディショナーとリチウムイオン充電池の設置状況。

赤いコンセントは太陽光エネルギーを直接使用することが出来るもの。


 

 

 

 

 

 

さて、社屋内に移動します。


 

 

 

 

 

 

空調等、全体の調整が可能なコントロールパネル。

例えば出勤時間に合わせて暖気を行うと省エネには大変効果的とか。


外観も素敵ですが、屋内も木材の良い香りと温もり、外光が豊かな解放感のある雰囲気です。

大きな窓は日差しを味方にすると同時にやりくりが必要で昼の光を存分に取り入れる採光、冬場は日射取得。夏場は逆に遮る、日射遮蔽がポイントになります。


CLT材(直交集成板)の断面もあえてデザインとして採用。

近年、CLT材は森林資源の有効活用、環境に優しい”夢の素材”として脚光を浴びています。

特徴として、既存の木材(集成材)が繊維方向が平行になっているのに対して、CLTは繊維方向が直交しているので変形に強い安定性とコンクリートにも匹敵する強度があるそう。

また、高い断熱性や耐震性、遮音性、耐火性、梁や柱、壁や床などの活用の多様性があるという大きなメリットも。


2階にお邪魔すると社員の皆さまが通常業務にあたられています。

照明直下にデスクの位置を集中することで効率化がはかられ見た目もスッキリとした印象です。

設備面もさることながら、省エネを無理なく実現できるレイアウト。

太陽光発電システムにおける雨天時などのデメリットを地下の一定した環境を活用することでカバーしながら職場として快適な居住空間を実現しているのですね。

 

そして、この地は地下水が豊富で(さらに掘ると温泉も)敷地内には井戸があり、飲み水としては不可ですが、生活用水として利用できるようにしているとのこと。

それはここが地域の災害時の拠点としての役割も担っているためで・・・

新協地水さんは経営理念の一つに”社会的責任”として以下をあげられています。

「仕事の大部分が開発工事であり、自らの戒めとして地球環境保全に配慮し、住民中心の地域作りに貢献することを掲げました。」

地域と住民を思うこと、地球環境を守ること、これは結果的に同じ意味を持つもの。

 

さて、一行は次の視察先に向けて出発しました。

つづく。

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