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東北大学 劉靖研究室『古民家・和紙漉き体験inみちのく公園』

2024/01/15


急な寒波に見舞われた、とある一日。

環境教育講座などの企画でお世話になっている 東北大学大学院教育学研究科 劉 靖研究室 の皆さんと国営みちのく杜の湖畔公園へフィールドワークに出かけました。

劉靖先生は、SDGs時代における学校教育のあり方、地方創生と大学の国際化や持続可能な開発のための高等教育の国際化・・・など”教育”に関する研究テーマに取り組んでいらっしゃいます。

劉先生は日本の伝統文化にもご関心が高く、また、現在、留学生を受け入れている時期でもあり、循環型社会を実現していたと言われている江戸時代の暮らし(地方は昭和まで色濃く残っていた)と、植物資源と循環の一例として「手すき和紙つくり」を体験してもらえる機会をいただいた次第。


朝の静けさに満ちた園内、開園時間とともに南地区を目指します。

ここ、みちのく公園の「ふるさと村」には、東北6県から移築された古民家が勢揃い!


うっすら雪化粧の古民家集落は、ひときわの風情。

ここの古民家は、19世紀中~末頃に建てられたものほとんどですが、中には水回り設備がリフォームされ、近代まで住まいとして現役だったという、ここ川崎町の家もありました。


豪雪地帯の日本庭園に欠かせない「雪吊り」

2本の松の枝ぶりは”鶴翼(鶴が翼を広げた形)”になっているという撮影スポット。


秋田県由利本荘の家。玄関が二つあります。

農業、林業、養蚕、馬の飼育(売馬)を営み、使用人も多かったという大きな屋敷!


(上の写真)宮城県色麻町から移築された農業・養蚕を営んだ家です。

”軒”が高い総二階造りは、養蚕のため、加えて、氾濫の多かった”鳴瀬川”近くにあったため、水害に備えるためで、屋内や納屋に避難用の船も吊るしてありました。

二階の床板の一部を固定せずにおくことで、緊急時に床を外して家具や食料などを搬入しやすくする工夫も。

広く長い縁側には”吊るし柿”、白い障子に濃い柿色が映える、これも日本の風物詩。


(上の写真)岩手県遠野は馬の生産が盛んなところ。

この地域の家は、土間から馬屋が”L字”に突き出す「南部曲り屋」の造り。

ほぼ全ての古民家に共通していたのが、”馬と人”が同じ空間で暮らしていたこと。

農耕馬も含めて、馬は人の大事なパートナーだったのですね。


最後に”みちのく公園管理センター”へお邪魔して、体長2メートルの二ホンツキノワグマの剥製と一緒に記念写真。

寒い中、ご案内下さったセンター長の内田さん、ありがとうございました!

さて、これから北地区へ移動して、伝統的な手法の和紙漉きを学びます。


「みちのく自然共生園」は、東北の里山環境(田園、居久根※屋敷林、草原、湿地、牧野など)の自然が再生されています。

紙漉きは農閑期の手仕事で、和紙の原料である”楮(こうぞ)”は、田畑の畦、屋敷林の空きスペースを利用して植えられていました。


まだ、”生な状態”の枝の皮を剥くと糸が引くように細い繊維が現れ、皆さん、一斉に顔を近づけました。

「この繊維を取り出すんです」

そのために、蒸してはがして削いでほぐして叩いて・・・


紙として整形するには、水の中に浮遊する繊維同士を繋ぐ役目が必要です。

「つなぎ」となる”トロロアオイ”も自家栽培「この”ねばり”成分は、根っこの部分から出てくるものです」

職人さんの使う用語は日本語でも難しいし、長い説明もあったと思うのですが・・・留学生のお1人が、すぐさま通訳をされていて、すごい!!


今日、そのまま持ち帰ることができるよう、葉書サイズの和紙を2枚漉いていきます。


1枚目は、塚原さんの言うなり・・・とはいえ、慣れない動作に戸惑う感じ。


ついつい恐る恐るの動きになって・・・(その気持ち、すごく分かります)

「繊維は一度絡んだら、そんな簡単に壊れないから!」と檄が飛びます。


”紙”の形になったところで、布に水分を吸収させて、バケツに絞り、また、押し当てる・・・を数回、繰り返しました。

2枚目からは、もう少し厚めに漉こうかな?とか、凝ったデザインに挑戦!など、リラックスした雰囲気です。

 


用意いただいた新聞紙に挟んで持ち帰り、後の乾燥を忘れずに行えば・・・

これぞ、正真正銘、メイドイン川崎町の和紙の完成です。

「フォトフレームに飾ろうかな!」と笑顔の劉先生。

 

 

そうそう、この日のランチは地元レストランにお弁当を予約させていただきました。

「farmer’s table mano (ファーマーズテーブル マーノ)」

このレストランは養豚(加工)も行っていて、店内飲食でもお弁当でも、自慢のハムやソーセージなどの豚肉加工品と新鮮な野菜を”ふんだん”に使ったお料理を提供されています。

川崎町は、自然が豊か!でも、都市との距離もほど良いということで、このお店のご夫婦の様に、近年、若い世代の方々が移住、起業された方もいらっしゃるとか。

同じく移住・起業したコーヒー屋さんとコラボして、食のイベントを実施したりするそうです。

地元(産地)としての付加価値を高めること、ネットワーク(ビジネスの仲間・地域内・地域外)の活用は、今後の地域活性、そして地方創生に欠かせない要素だと理解した次第。

兎にも角にも。。。

お弁当は「めちゃくちゃ、美味しかったです」

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