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令和5年度子どもゆめ基金活動「地質学者・土屋先生と行く!ネイチャーツアー」~講義&ワークショップ~
2023/12/19
AOBA企画 令和5年度子どもゆめ基金体験活動助成事業
「地質学者・土屋先生と行く!ネイチャーツアー」2日目の講義&ワークショップが終了いたしました。
会場の東北大学大学院環境科学研究科『エコラボ』です。(撮影2023年夏)
「11月の金華山ぶりだね」と土屋先生の講義がはじまりました。
少年時代から興味を持った分野や学問のお話や進路に関する変遷。
恩師から「常に考えろ(悩むよりも考える方が建設的)」と言われ続けたこと、感じるという心、”感性”を磨くことの大切さも学んだそうです。
80年中頃、大学生の時に参加したシンポジウム会場で「日本海は拡大したのか、陥没したのか」論争で、ベテラン・若手研究者が激しく論じ合っていた場面を鮮明に覚えていて、まさに、その時期から(大正時代以降、80年も変わることがなかった)日本の地質図が大改変したそう。
講義中、折に触れ「世の中は、自分の知らないことばかり!ということが分かると、肩の力も抜けて世界が広がる」というメッセージがありました。
講義が終わると、自分が金華山で採集した石の受け取りをして、”薄片標本作り”に取り掛かりました。
採集した時は”塊”だった石が、薄く切り出され・・・次の工程に備えた下処理がされております。
これから、組成が観察できる状態になるまで、研磨剤を使いながら、さらに薄くしていきます。
一斉に作業が始まると”ショリショリショリショリ・・・”と、室外にも響く研磨の音。
指先の力加減が均等にならないと、穴が開いてしまいので、指の感覚に神経を集中させる繊細な作業。
光を通すほど、薄くなった石がこちら!
天井の照明器具に透かしてみれば・・・キラキラが凝集したもの、虹色を放つもの、ひとりひとり違うのもいいですね。
続いて、顕微鏡室へ移動。
偏光顕微鏡の使い方について説明を受けます。
「せっかく作った薄片を破損しないよう、横からも確認しましょう」
両目でしっかり観察できるように、光源からの光を紙に映して、焦点が合う位置を確認します。
だんだん安定して見えてくるとスマホで撮影したり、顕微鏡のテーブルを回して万華鏡のような動画を撮る姿もありました。
自分の薄片標本観察が一通り終わると、席を離れて他の人の顕微鏡をのぞかせてもらったりする場面も。
最後に、研究室所有の標本を見せてもらうと、自作のものと格段に”薄さ”が違う薄片に驚きの声があがりました。
顕微鏡にセットして観察がはじまると・・・「実は、色がついている状態では、まだまだなんだよね~」という平野先生のコメントに対して”ため息”が聞こえました。
さて、最後のプログラムはDiana先生の環境科学に関する講義と「おさらいクイズ」
土屋先生の講義とご自分の講義の内容から10問程度の4択クイズが出題されました。
スマホを使って、正解数、同点なら回答の”早さ”で競うので、やはりここは盛り上がるところですね。
優勝者の副賞は「南極の石」だったので、石が好き!という彼女は大喜びでした。
このワークショップは、見学も受け入れており、お越しになられたご家族の方に
「こんな貴重な経験をさせてもらえて有難いです」とお声をかけていただきました。
この日、インフルエンザの流行による学級閉鎖で、残念ながら数人欠席となりましたが、丁寧で親身な指導をいただき、楽しいコンテンツも用意して下さった講師の先生方に深く御礼申し上げます。
そして、今年の地質学講座にご参加下さった皆さま、お世話になった皆さま、誠にありがとうございました。