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灰塚 ~伊達家独特の風習が残る寺:大願寺と永昌寺~

2019/02/04

皆さんこんにちは。
ここ数日は風が強く、寒い日が続いてますね。
仙台市内でも数㎝の積雪も見られました。

大寒も過ぎ、寒さ厳しい毎日ですが、体調にはお気を付けください。

さて、これまでこのブログ(以前のブログを含め)で、弊社が受託している家庭ごみ収集地域にある様々な史跡等をご紹介してきました。

仙台市内には、仙台藩主「伊達政宗公」に関する史跡等が数多く残されています。
今回もその「伊達家」に纏わる場所をご紹介したいと思います。

皆さんは「灰塚(はいづか)というものを知っていますか?

伊達家には、藩主や夫人の遺骸を死後すぐに埋葬し、四十九日の間に原野で遺体のない棺(空棺)による祭礼を行うという独特の風習があったそうです。

空棺と祭礼用具一式を焼き、その灰を多量の土で饅頭上に覆って周囲に土塁を巡らせた場所、それが「灰塚」です。

初代藩主「伊達政宗公」とその母「保春院(義姫)」の灰塚が、青葉区新坂町の大願寺と永昌寺にあります。
大願寺の灰塚が伊達政宗公、永昌寺の灰塚が保春院(義姫)になります。

では、一つ一つ紹介していきましょう。

まずは、伊達政宗の灰塚です。

場所は、「増上山大願寺」 仙台市青葉区新坂町にあります。

             大願寺正門



              本堂



大願寺の正門は、仙台藩4代藩主「伊達綱村」の夫人、仙姫(万寿院)の墓所にあった門を明治時代に移築したもので、江戸時代中期の霊廟門の遺構として貴重なことから、1987年(昭和62年)に仙台市指定有形文化財に指定されています。

             霊廟建築



また、大願寺は「仙台三十三観音霊場第七番札所」に指定されていて、弘法大師が彫刻したと伝わる木造聖観音菩薩像が安置されているそうです。

伊達政宗公の灰塚は、本堂脇を西に進むと正面に見えてきます。

周囲を堀で囲まれていて、そこだけ静寂に包まれているような雰囲気を受けました。
撮影したのが1月13日で、周囲の木々はすっかり葉が落ちてましたが、新緑の頃になると荘厳さが更に増すのではないでしょうか。

           伊達政宗公 灰塚





新緑の頃にもう一度訪れてみたいですね。

さて、

もう一つは政宗の母「保春院(義姫)」の灰塚です。

場所は「通宝山永昌寺」 大願寺と同じく仙台市青葉区新坂町にあります。

             永昌寺



            永昌寺 本堂



大願寺から徒歩で約15分くらいでしょうか。
車だと5分もかからないかもしれません。

永昌寺は、仙台三十三観音霊場第4番札所になります。
保春院(義姫)の灰塚は、本堂裏手にあります。

永昌寺は、元来現在の東北大学附属病院付近にあった、と言われていて、この灰塚を祀るために現在の場所へ移転した、と記録に残っています。



           保春院 灰塚





政宗公の灰塚と違い、小さいものですが、やはりここだけ雰囲気が違うと感じました。

伊達家独特の葬礼である灰塚の風習は、5代藩主伊達吉村の時に、戦国時代の無益な遺風であるという理由から廃された、と考えられています。

今回ご紹介した灰塚は、初代藩主とその母のものですが、もしかすると3代・4代の灰塚もどこかにあるかもしれませんね。
(調べてみましたが、どこにあるのか見つけられませんでした)

仙台に残る様々な史跡。
皆さんも訪れてみてはいかがでしょうか?

大願寺と永昌寺の地図はこちらになります。

<大願寺>


<永昌寺>


いかがでしたでしょうか?
これからも色々とご紹介していきたいと思います。

それではこの辺で。

後藤

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