AOBA青葉環境保全より良い環境をめざす

NEWS    〈 青葉環境保全 〉からお知らせ

『自然環境調査体験プログラム2023』終了!(その4)

2023/07/24


『自然環境調査体験プログラム2023』現地調査、昆虫班、鳥班の様子。


昆虫班では虫捕り網(捕虫網)の使い方が基本の基本。

任意採集法として、皆さんが想像する一般的なスウィーピング法。

樹林地、低木林、草原と様々な環境に出向き、捕虫網を草や木の枝の先端や、花をなぎ払うようにしてすくいとるものです。


こちらは、地上を歩く昆虫を採集する方法「ベイトトラップ」を回収したもの。

ここ!と決めた地面に穴をあけて、餌となるものを入れたカップを埋めていきます。

ちなみに餌により採集できる昆虫の種類が限られてしまうので、単純に「何がいるのか」を調べる時は、餌を入れずに、穴にポトリと落とす方法もあって、そちらは「ピットフォールトラップ法」と言われるものです。


地球上の生物170万種。その中で昆虫が100万種、なんと、全生物の6割を占めています!

生息する環境により、昆虫の進化は多種多様。


三角紙に包まれた昆虫達。


トンボや蝶、蛾からはじまり、主にベイトトラップに入った小さな徘徊性昆虫まで、観察と同定の繰り返し。
翌日のワークショップで作成した調査票です。


鳥班は、まずスコープを使い方から学びます。こちらは移動をしながら観察するためのスコープ。


朝の集合時から、とても近くに鳥の鳴き声が聞こえてきます。

鳥類の観察は、飛ぶ姿を確認するだけではなくて、鳴き声で存在を確認しますが、1つの種でも時期や状況によって鳴き声が変わります。

樽水ダム周辺の環境は常用針葉樹林、落葉広葉樹林、水辺の植生、低木やススキの群落など、多様です。


飛翔する鳥の姿を定点で「出待ち」するためのスコープ。

「定点センサス法」という手法は、警戒心が強くじっとしていないと姿を確認できない種など観察する方法ですが、実際、一日かけて行う大変根気のいること。

ホンの一瞬、目を離した隙に鳥が飛び立ったりするので、調査員を見かけた時は「何をみているんですか?」等、話しかけたりするとご迷惑になるので気をつけて。


「地鳴き」と「さえずり」は違うということも分かりました。

(厳格な定義はないそうですが、”さえずり”は長く続く複雑な声、”地鳴き”は短く単純な声のこと)


木をつついて餌をとっている姿を確認したという記述。


自分の目で見て、姿を写し取り、特徴などを記入したり、生態を調べてまとめる作業。


調査票は1人、1~2枚作成してもらい、その後、全員から発表してもらいました。


自身で調べ、簡潔にまとめ、手書きしたものなので、発表の際には、各班ごとエコリスさんの発表を手本にして、驚くほど、スラスラと説明がなされました。

魚類や植物などでは、特記事項で「食べると美味しい(自分は食べたいと思わないけど)」という発言が多かったのも面白かったです。


総括の時間です。

生物多様性と生態系サービス・・・聞いた言葉ではあると思うし、授業で習っている高校生も多かったはずですが、実際にピンとくるのは、また別の感性が必要かも。

現地調査で、自分達を取り巻く自然環境の豊かさを実感した後は、

人間を含めた生き物達が多様で健全であることの大切さ

普段の生活で気にも留めていない、でも、生きる上で不可欠な、食べること、住むこと、着るもの、加えて楽しむことのすべてが、実は「生態系」から享受していることを学びました。

PAGE TOP