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国際会議参加者への記念品製作プロジェクト1 ~はじまりとコンセプト~

2023/09/17


2023年8月仙台国際センターの展示棟では、翌日からはじまる国際会議の開催準備が粛々と進められていました。


この会議の次の開催地が日本、仙台と決まってから、すぐにコロナ禍となり、この数年間、開催が延びていたそうですが、日本で開催されるのは、実に40年ぶり。



参加者が受付にやってくると会期中に使用するIDカード、そして、この記念品が手渡されることになります。

この会議は地質、岩石、金属鉱物、流体などの分野の研究者が世界中から集まるとのことで、過去、開催国特有の石をお持ち帰りいただくことが多かったそう。

この国際会議が次の夏には開催することが決まり、その後、昨年暮れに、会議で記念品の企画についてご相談を受けました。

希望として、地元の宮城県産、日本の素晴らしい伝統工芸、その職人さんの手わざがわかるもの。

”石”という条件は、すぐに石巻市の雄勝石が良いとなり、また、雄勝石を包装するものは”手すき和紙”を想定しました。

久しぶりの国際会議で参加者数は数百人と多いことが予想され、また、価格帯から考えると確実にオーダー品になるはず。

すぐさま納期、産地の体制や時期などを考えて、企画をまとめ、日頃、お付き合いのある産地の組合さんや職人さんとの相談や打ち合わせに入ったのは年明けでした。


石巻市雄勝産「ペン立て付きペーパーウエイト」雄勝硯生産販売協同組合謹製

市販品、過去のオーダー品などを参考にしながら、貴重な雄勝石の端材で製作が可能なものとして、大きさの範囲は指定しましたが、形は様々、敢えて一面は層状が見て取れる割面をそのままにしてもらいました。

食器などの衛生品ではないので、コーティングはせず、マットな黒の仕上がり。


川崎町笹谷産「手すき和紙の巾着袋」手すき和紙工房”潮紙”謹製

当初は、箱入れの中の包装紙、メッセージカード等、色々と思案しましたが・・・

和紙職人の塚原英男さんから「巾着はどうか?」と言われた時は、「そうだ!!」と膝を打ちました。

手すき和紙は、服(紙衣)として縫製して着用が可能になる「紙子」という加工技術があります。

とはいえ、和紙漉き~加工の手間暇、ミシンでの縫製まで途方もない工程を思うと、数があまりにも多いため心配もありました。

上記、写真は試作品(第2号)ですが、見せてもらった時は、心配も吹き飛び、その仕上がりに感動。

そして、記念品の企画のお話しをいただいた時に、頭に浮かんだのは、品物以外にも、参加者への歓迎、おもてなしの心と東日本大震災からの復興のメッセージが伝わるものを添えたいということ。


今回、このプロジェクトに集結する産地のこと、歴史、継承される職人の技のことなどを伝えるために、説明書を同封することに。

説明書は、資料を折り畳んで袋に入れるのではなく、”和綴じ本”作家のながさわゆうこさんのお知恵を借りて、日本の製本技術を使って”小さな本”にしたいと思った次第。


ここから、年明けから始まった宮城の”おもてなし”プロジェクトについて、各産地の製作の様子、完成までの数か月間をご紹介したいと思います。

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