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一番町四丁目 『加藤義永刃物店』

2020/09/21

友人にお祝い事があり、包丁を贈ろうと思い立った。

それはそれは料理上手な友人。

自宅に招かれ、お酒をちびちび飲みながらおしゃべりをする間も、流れるような手際で、タイミングよく、美しい器に盛られた料理が次々と私の目の前に現れます。

私としては、これからも美味しいものを作ってもらい、ご相伴に預かろうという魂胆。(それで包丁という選択)

 

とはいえ、本格的に包丁を選ぶ機会はついぞなく・・・

そういえば、仙台一番町アーケードに刃物の専門店があったことを思い出し、早速、出かけた。

加藤義永刃物店


はじめての刃物店に少し緊張しながら、お店に訪うと先客が一組。

そちらは料理好きなご主人のために包丁をお求めのご様子。


 

目当ての包丁が並ぶ棚を見つけたものの、自分に”選ぶ基準”がないことに気がついた・・・。

所在なく振り返ると、にこやかなご店主がそこにいらっしゃいました。

使い勝手のよい大きさなどを尋ねると丁寧に答えて下さり

「包丁は重さが大事。持ってみて下さい」と教えてくれた。

(私が使うわけではないけれど)持たせてもらうとズシリっと重い。

きちんと研いで使えば、半世紀くらい余裕で使える、とおっしゃっていた意味がよく分かる。身がぎっしり詰まったような鋼。

ちょうど良さそうな品があり、それをお願いすると

「じゃあ、研いでお渡ししますので」とレジ裏のスペースへ。


ショリショリと小気味いい音を立てて研いでは水をくぐして・・・の繰り返し。

さらに何枚かの砥石を使い分けており、刃の状態を目の高さに持ち上げては、何度も確認されていました。

もともとピカピカの包丁ですが、どんどん”凄み”が増している気がします。


度々、ご自分の指の腹で刃先をなぞるのですが、見ているこちらの背筋が冷たくなります。


包装する前の最終確認。

この鈍い輝きに見入っていると、ご店主は手に持った細長い紙に刃を近づけていき・・・

空中でユラユラしている紙に刃が吸い付くように入っていきます。

 

「昭和20、30年頃は、どこの家のお父さんも包丁研ぎをしていたものですよ」

両刃の包丁は両面50回ほど研ぐそうで、小1時間、その様子を飽きることなく見ていたそうです。

 

店内にあらゆる種類の包丁が展示してありました。見たこともない刃物がたくさん。


 

自分で手入れすることも大事ですが、定期的に、できれば一年に一回くらいはプロに研ぎに出した方がいいようで

「包丁はデパートやホームセンター、100円均一のお店でも売っているけど、売ったら終わりというものではないと思うんですよ。

うちでは買っていただいた後も長く使えるお手伝いをさせていただきます。

何本も買うものでもないし、使い方次第で長く使えるし、自分の手に馴染んでくるもの。

包丁ってものは、他とはちょっと違うものだと思っているんです。」とご店主。


そして、使わなくなった刃物をリサイクルするための回収箱も設置されている。

1~2本程度なら外の設置箱に入れていくだけでOK!

(ちなみにリサイクルの前に刃物供養を行うそうです)

刃物もリサイクルすればそこから鉄など資源を取り出すことが可能。

それは人為的なシステム(回収や蓄積)が鍵となる”都市鉱山”と呼ばれるもの。

天然資源の乏しい日本において、色々な形で私たちの身の回りに散らばっている

限りある資源を活用することは、今後、益々重要なこと。


このお店では「義永」銘の包丁を取り扱っておられる。

刃物専門店とうことで切れ味が一味も二味も違う、剪定ばさみ、理美容用のはさみ、アウトドア用の万能ナイフなど、多岐にわたるプロ仕様の品揃え。

 

とても丁寧な接客で頼りになる良いお店に出会い、きっと喜んでもらえそうな贈り物が用意できて気分上々。

いそいそと友人のもとへ足を進めた。

 

 

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