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松島 四大観 幽観「扇谷」

2020/09/06

七ヶ浜から塩釜を抜けて、この日、少し賑わいを取り戻した松島へ。

松島パノラマライン沿いの案内板を見落とさないように注意深く進むと、一本道からほぼ鋭角に山側へ折れる「扇谷」への入り口がありました。

手入れが行き届いた砂利の登り道を進むと、ほどなく数台程度の駐車スペースがあり、すでに他県ナンバーの車が数台出入りしています。

登り口には「扇谷・混合雑木林」という案内板。

眺望地点の標高は60m足らずですが、頂上からおちる渓谷は海辺に続き、広げた扇の形になっているのが「扇谷」の由来のようです。

目的地まで、距離が短い分だけ少々急な登り坂。

ただ、雑木林という通り、他の四大観の地と異なって何となく親しみやすい植生に感じます。


この眺めが 松島 四大観 幽観「扇谷」


眺望地点に四阿山があり、その中の暗がりに立つと、額縁で切り取られたような奥行きのある眺めに。

島々が浮かび上がり、静観するにふさわしい空間。

ここからは要島、朴島、桂島などの浦戸諸島を認めることができます。

盛んな緑の勢いが勝って、扇谷の渓谷の様子を見降ろすことはできませんでしたが、秋の紅葉時期はさぞかし美しいことでしょう。

 

四阿山からほんの少し登ると・・・


「金翅堂(こんじどう)」(※達磨堂とも)と呼ばれるお堂がありました。

葉の細やかなモミジが枝を伸ばし緑陰が涼しげです。


かつて扇谷の静寂さは愛され、古く江戸時代には座禅堂、明治時代までお寺などもあったそう。

悠久の時、お堂の隣で座禅を組む達磨大師様の佇まいを拝するとそれがよく分かります。

 

これで 松島 四大観 の全てに足を運ぶことができました。

麗観・富山 (とみやま) 松島町手樽字富山

壮観・大高森(おおたかもり)東松島市宮戸大高森

偉観・多聞山(たもんざん)七ヶ浜町代ヶ崎浜八ヶ森

幽観・扇谷 (おうぎだに)松島町松島桜岡入

松島湾をぐるりと四方から眺めたそれぞれには違った風情や情景がありました。

それは昔から変わらず、人々を惹きつけてやまないものだったのですね。

 

この後、双観山やガラス張りの瀟洒なカフェが賑わう ”西行戻りの松” 公園も訪れてみました。(下の写真が西行戻りの松)


 

行く先々で一人の少年と一緒であることに、気付きました。

普段着といった出立ちの彼は、自転車(いわゆるママチャリ)で移動しており、こちらが扇谷から軽い渋滞にはまっている間に追い抜かれていた模様。

10代と思われる彼に比べ、松島の絶景ポイントを巡ることに、随分と遅れをとってしまった私ですが・・・

「百聞は一見にしかず」その”一見”が絶景ならばいいことずくめ。

 

初めて宮城県を訪れるお客様へのおもてなしには、松島観光はやはり外せないもの。

これからは歴史的背景を伝えることを含めて、より良い案内役もできそうです。

 

画面から情報を得る事に抵抗がなくなった時代に入り、どのくらい経ったのでしょう。

人のリアリティに対する感性が衰えないように、また、他者との交流による共感や相互理解のためにも・・・

一刻も早く、世界中、安心して行き来ができるようになることを願ってやみません。

 

 

 

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