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御礼!「土屋先生と行く!!”地球科学”特別講座」2日目ワークショップ終了!

2022/12/18


国立青少年教育振興機構 子どもゆめ基金助成事業 子どもゆめ基金

「土屋先生と行く!!”地球科学”特別講座」の2日目ワークショップが12月17日(土)が無事に終了いたしました。

急に寒くなり、降雪もあった青葉山ですが、当日の朝は晴れ間もあり一安心。


きっと遅刻しないように早くお家を出てくれたのか・・・

集合時間の20分前から地図を片手に続々と参加者の皆さんが会場の「エコラボ」に到着してくれました。


開会にあたり、主催者AOBAの代表から挨拶をさせていただきました。

「体験と学びの両輪でもって、自分の「好きなこと」を一生懸命にやってみて下さい!」

まさに、その機会を創出していくのが、AOBAの使命と思っております。


はじめに、東北大学大学院環境科学研究科教授の土屋先生の講座。

内容として、特にこちらからお願いしたのは、土屋先生が学生の頃、どんなことを考えていて、どのように過ごし、何に興味があったのか、でした。

その時は、”普段、滅多に振り返ることもないし、お話しする機会がない”と怪訝な表情でしたが、やっぱり予想通り!!面白いお話しが次々と飛び出し、会場には笑い声。


調査活動では、日本の47都道府県の制覇は言うに及ばず、海外は、34ヵ国、そして、3度の南極大陸へ!

その後、地質学から地球科学という学問のこと、そして、エネルギー問題解決のため長年、力を注ぐ地熱の研究まで幅広くお話しくださいました。

石から水の滴がしたたり落ちる。。。実験の動画は驚いてしまいました!


続いて、Diana先生からのお話し。

日本語が堪能で、14歳から語学の勉強を始めたそう!(参加者の皆さん、驚いていました)


Diana先生は、ググッと高校生に近いお話しをして下さいました。

まず、ご自分の得意分野や興味があった分野から、進学や専攻の選び方、学生時代の過ごし方まで・・・最近までご自分が学生だったので、今、高校生がどんなことが知りたいのか、よくお分かりです。


ここからは作業と見学に分かれてプログラムを進めていきます。

”薄片標本作製”の部屋では、平野先生にご指導いただきます。


石を研磨するための手順の説明後、いざ、作業開始!

砥ぎ板と研磨剤2種類を使って、力を均等に加えながら薄くしていきます。


これは、採集してきた塊りの石だった訳で、よく考えれば、信じられないけど・・・

40分以上、研磨を続けて、薄くなっていけば、光も通すようになり・・・


汚れ防止に敷いた新聞の文字も・・・ほら、この通り!


こちらは別の建物でのラボツアー。

実験や分析、観察のためのサンプル作製の作業を順を追って見せて下さいました。


作業をしながら、研究は「正解が一つではない」という難しさがあるとのお話しがありました。

考え抜いても、はじまらないところがあって、サンプル1つを作る時でも、全部間違っているかも知れないし、1つだけ合っているかも知れないし・・・結果的にやってみないと分からない。

でも、挑戦する、そこが面白い!


先ほどの薄片標本作製は、観察が可能な状態まで、”あと一息”の段階まで、あらかじめ下拵えをしていただいておりますが、本来は何種類かの切断機を使い分けながら、塊の石を切断するところから始まります。

安全を考慮して小さい標本で実践してもらいましたが、石が切れる様は、なかなかの迫力でした!

 


さて、研磨が終わったところで、別棟へ移動して偏光顕微鏡での観察が始まりました!


参加者の中には、地学部に所属している学生さんもいて、薄片標本作製や観察も経験しているそうですが、観察対象は、その時々、一つとして同じものはないのですね。


覗いてみたら、これが、地球が生み出す鉱物の世界!!万華鏡のように美しい!


最後は、講義室に戻って、土屋先生の講義内容から出題される確認テスト(スマホを使った”早押し”クイズ大会)に、QRコードから読み込んで参加します。


さすがのデジタルネイティブ世代です。セッティングも回答も、早い早い!


このクイズタイムも問題作成もDiana先生のアイディアで実現しました。

土屋先生も(若干、こそばゆそうだけど)笑って見守って下さりました。


そして、クイズの途中で、驚きの発表がありました。

「1位の人には、土屋先生から”南極の石”のプレゼントがあります!」(上の写真)

瞬間、会場には、どよめきが・・・私も知らなかったので、驚きました。


そして、白熱の接戦を勝ち抜いたMさん。おめでとうございます!

土屋先生から、説明とともに贈呈されました。

(後ほど、Mさんから「家宝にします!」と連絡をいただきました。)


さて、予定していたプログラムは全て終了したものの。。。

土屋先生が研究室から、世界中の美しい&珍しい石の標本箱を持ってきてくれました。

たちまち、参加者が集まり、質問したり


現在、マレーシアとインドネシアから土屋研究室に留学中の、お2人が来てくださり、母国のこと、日本での研究内容について英語でお話しいただきました。

Diana先生に通訳してもらいましたが、皆さん、熱心に聞き入ってました。


金華山巡検から参加のメンバーは、この日のために色々と準備をしてきていた模様。

1人は、今、読んでいる本の中で分からないことがあったので、質問しようと本を持参してきたそう。

平野先生に対応いただき、この後、ホワイトボードで図解しながら丁寧に答えてもらえたので、大変喜んでいました。


こちらは、巡検の日以来、地学の本も読んだり、石の採集に熱心になったというメンバーが、是非、先生に見てもらいたいと用意してきたもの。

講義が終わり、別室での作業中、土屋先生がルーペで観察してくれており、その結果は、Diana先生、平野先生から説明がありました。


中身の濃い、盛りだくさん過ぎる一日。

帰りの頃には、外は雪がチラついていましたが、このプログラムで仲良くなった参加者同士、元気に会場を後にしました。

微笑ましい気持ちで、後ろ姿を見送りながら、また会えるといいな、という思いと、

今日、先生方は、講義や指導の中で、10代という多感な時期の参加者に向け、たくさんのメッセージを送ってくれました。

それらは、自分の人生や色んな経験の中から実感した事柄の数々です。

土屋先生のお話しの中にあったとおり、知的好奇心を武器に、気力・体力・知力を持って、自分の好きなもの、没頭できるものに巡り合い、未来を進んで欲しいと思います。

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