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令和5年度子どもゆめ基金活動「地質学者・土屋先生と行く!ネイチャーツアー」~金華山フィールドワーク~

2023/11/09


アイキャッチ画像「金華山から牡鹿半島を臨む」撮影:古川黎明高等学校 A.Cさん

AOBA企画 令和5年度子どもゆめ基金体験活動助成事業

「地質学者・土屋先生と行く!ネイチャーツアー」1日目 金華山フィールドワークが

11月観測史上異例の暑さとなった晴天の一日、無事に終了いたしました。


早朝の仙台駅に集合でしたが、皆さん、時間通りに集まっていただき、定刻に出発。

高校生、高専生、専門学校生、留学中の大学生まで、総勢20名を超える多様な学生さんにご参加いただきました。

行きのバスの中では講師の先生方のご挨拶に続き、学生の皆さんが自己紹介、中には留学生に向けて英語で自己紹介する場面もありました。

環境科学、工学、生物の飼育など、すでに専門的な分野を学ぶ学生さんのお話しは、高校生にとって良い刺激になった様で、この後のフィールドワーク中に、学校生活や研究のことなどを質問し合う場面も見られました。


土屋先生から、仙台東部道路では東日本大震災の津波被害のお話しや牡鹿半島の付け根に位置する万石浦、サンファンバウティスタ号が出航した月浦など要所要所では、地形以外にも震災がもたらした漁村や漁業への影響、歴史のお話しなどを聞きながらバスは石巻市の鮎川港へと向かいます。


開催日まで、船の出航可否が心配の種でしたが、念願叶い、雲一つなく風もないお日和で、予定通り出航することができました。


鮎川港の観光桟橋から船に乗船。


多くの観光地で禁止されている”カモメのエサやり”ですが、金華山の航路は可能なため、参加者に定番のせんべいを配布。


必死についてくるカモメに歓声をあげながら15分少々の短い船旅。


金華山に上陸すると、早速、ハンドブックの地質図を見ながら全体説明の時間。


金華山と言えば”金華山黄金山神社”が有名で、一般参詣の皆さんは、ほとんど神社の送迎車を利用されている模様。

それも頷けるほど、桟橋からいきなりの急登です。


紅葉がはじまった対岸の牡鹿半島、晴れ渡った秋空の青と深緑の金華山瀬戸(牡鹿半島と金華山の間の水道)、そして、金華山地表の明るい茶と鮮やかな緑色は絶景が過ぎて度々、足が止まるほど。


ほどなく、鹿の親子が現れました。金華山固有の鹿で少し小ぶりなのが特徴。

人馴れしており、その場にとどまる愛らしい小鹿の姿に「バンビ!!」「かわいい!」と、やはり足が止まりがちに。


牡鹿半島と金華山の水道の幅は約1km、一番狭いところで800mですが、実は全く!!異なる地質で、見た目にも白っぽい地質の金華山に比べて、対岸の牡鹿半島の断崖は黒色。


現在、同じ時代の地質が確認できる場所は、とんでもなく遠いところ(青森など)にあったり・・・

この地形の成り立ちは、恐竜時代の前に遡るほどで、その時間は、まさに気が遠くなるような長さ。

ところどころで、そんなお話を聞きながら進む一行。


神社の参道入口を横切る形で丘を登り、そして、海辺りに向かって下ると、まもなく目的地。


ここは、地球を覆う岩盤(プレート)の運動による幾たびの地震や火山活動と悠久の時間を経て今の形を成す痕跡が分かるという場所。


レクチャーの後は、2日目のワークショップで予定している薄片標本をつくるために自分で気になった石を採ります。

ワークショップ担当の平野先生から揃えておきたい4種類の石について説明がありました。




慣れないハンマーを振るって挑戦しますが、なかなか力の加減が分かずに苦戦。


だんだん慣れてくると、採った石を先生達に見せにいったり、キレイな状態で持ち帰るためお料理の”面取り”みたいな?もうひと手間を教えてもらったりしていました。


ストライプ模様が走るペグマタイト(岩脈※石英や長石など鉱物が主成分)が入った石が採れて嬉しそう。顕微鏡観察が楽しみですね。


「おっ!なかなかサマになってきた」とハンマー姿を褒められた人も。


お昼時間になるとDiana先生は、ドローンを取り出し空中撮影の準備。

特段、大容量でもないリュックサックに、機体とコントローラーがスッポリと入る驚きのコンパクトサイズ。

みんなで手を振りながらドローンを空へ見送り、地形の撮影を終えたところで「操縦したい人、いる?」との声に、やっぱり墜落させるのが怖くて、尻込みする人が多い中、勇者が1人。

さて、断崖をよじ登り、丘を越えて桟橋へ向かう時間になりました。

途中、「せっかくだから神社に寄りたい!」との声。

出航の時間も気になりましたが、「大丈夫!」と足取り軽く山の中腹に向かって参道から駆け上がる姿を唖然と見送りました。


帰りの船では、すっかり打ち解けて、この笑顔!


帰りのバスの中は、静かな時間となり・・・ふと回収した参加者の名札を見ました。

そう言えば、、と、朝の自己紹介タイムにメモをした参加者の出身国を数えてみたら、日本を入れてなんと10か国!

今日は、先生方の日本語の説明の後、そのまま英語で繰り返される場面も多く、高校生から「今日、英語にたくさん触れて、自分も分かるように、話せるようにもっと勉強したい」とのコメント。

金華山フィールドワークは、はからずも国際色が豊かな、これからのグローバル世代にマッチした活動になりました。

このプログラムは、12月に2日目ワークショップが開催されます。

地球科学について学ぶ講義や薄片標本作製と観察、東北大のラボツアー等々・・・

また、海外留学生から出身国のお話しなども盛り込んで、国際理解、交流の日にもなるようにしたいと思います。

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