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【御礼】『虫とアートの世界 ~昆虫奇譚 虫とアートと標本と~』その1
2023/12/08
<アイキャッチ画像及び、上の写真 ★ 撮影 昆虫写真家 法師人 響さん ★>
12/2(土)は、清々しい冬晴れの一日となりました。
この日は、スリーエム仙台市科学館で『虫とアートの世界 ~昆虫奇譚 虫とアートと標本と~ 』という、限定1日の彫刻・絵画・標本・写真のアート作品の展示、そして、作家の方とのトークイベントが開催される日。
主催は仙台市環境局、AOBAは共催で企画・運営を担当させていただきました。
AOBAにとって、はじめての展示&トークイベント。
広い広い「特別展示室」という会場をご用意いただいたのですが・・・
全体の会場レイアウト、彫刻・絵画などの“アート作品”の展示方法、そもそもスペースに対する“虫”という物体の小ささなど、検討することや工夫することは多々ありました。
まず、会場を3つのゾーンに分け、
トークイベント後半用の椅子を中心部分に配置、
各ゾーンと作品・展示品の間にはじゅうぶんなスペースを設けました。
作家のみなさんは、前日に関東圏から作品を持って仙台入り、会場にお越し下さいました。
●佐藤 正和 重孝氏 彫刻家
●福井 敬貴氏 アーティスト / 昆虫標本作家
●前田 健氏 昆虫標本商 / 昆虫研究家 株式会社インセクエスト 代表
●櫻田 馨子氏 株式会社インセクエスト / 画家
早速、会場に作品を運び込んでいただき、レイアウト作業、細かい調整を行っていきます。
彫刻は、やはり重いので、色んな形やサイズの展示台のなかから選んでもらい、位置決めをして終了。
白い展示台は、東北工業大学さんの撮影スタジオからお借りすることが出来ました。
当日の朝、彫刻の設置作業がスタート。
会場の外、静かな冬空の下に広がる景色は、台原森林公園の濃紅葉。
森林をバックに自然光が射し込む「彫刻ゾーン」
壁掛けの作品を含め10点は、彫刻家 佐藤 正和 重孝(さとう せいわ しげよし)氏のもの。
カブトムシやクワガタムシ、スカラベ(フンコロガシ)をモチーフとして、黒御影石、赤御影石、黄色大理石、鶴瀬石(甲州鞍馬)、砂岩、樟に彫り出されています。
彫刻は、そこにあるだけで、その場の空気感を一変させてしまうものなのだと実感。
株式会社インセクエスト「絵画・標本ゾーン」
標本を商っているだけではなくて、自ら国外にも採集に出向いておられます。
代表 / 昆虫研究家 前田 健(まえだ たけし)氏は、美術大学を修められていて「“アート”も少しは分かる虫おじさんです」という自己紹介を受けました。
標本は撮影がNGでしたが、
ほぼ大きさの揃った、同じ種の虫が標本箱の中に所狭しと並んでいて、少し離れた場所から眺めると、赤・青・緑・黄・・と放つ色彩が微妙に異なっており、見事なグラデーションが見て取れました。
そして、社員の櫻田 馨子(さくらだ かおるこ)氏の絵画作品。
仕事のかたわら、製作活動を続けていらっしゃいます。
山形県の芸術工科大学で日本画を修められたということですが、8枚の絵画は全て作風が違っています。
昆虫標本作家の福井 敬貴(ふくい けいき)氏と、昆虫写真家の法師人 響(ほしと ひびき)氏の「標本・写真ゾーン」
開場前に入念なチェックを行う福井さん。
手指の爪くらいのサイズの虫の手足は、針ほどの細さ、小ささで、作業を見ている私は思わず息を止めて見入ってしまうほどです。
法師人さんの写真は、福井さんの標本を撮影したもので、大きく引き伸ばされており、昆虫のフォルムやその質感は目を見張るばかりの大迫力。
写真パネルとなった虫は、すべて来場しています。
「(パネルの)この虫は、どれですか?」と尋ねると
福井さんが「これです(にっこり(^-^))」と教えてくれますが、
標本箱の中にある実物の小ささに、驚愕。
写真と被写体となった虫を、ただただ見比べるだけでした。
朝からの展示作業は40分ほど過ぎると、そろそろ終了の雰囲気。
間もなく、開場の時間を迎えます。