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『世界でいちばん美しい村』上映会

2020/03/09

2月19日、せんだいメディアテークのシアタールームにて、

指定国立大学災害科学世界トップレベル研究拠点「東北大学 災害人文学ユニット」

が主催する上映会がありました。

上映されたのは、ネパール大震災のドキュメンタリー映画

『世界でいちばん美しい村』

監督は、石川梵さん。

石川監督はもともと写真家ですが、この映画が“初監督”、自ら撮影したという作品です。

この日、上映後のトークセッションに登壇されました。



2015年の春、約9,000人の犠牲者を出したネパール大地震が発災。

ネパールの首都カトマンズの甚大な被害の様子は、テレビの報道で目にした記憶があります。

石川監督はジャーナリストとして初めて、道なき道を2日間かけて、震源地となったヒマラヤ奥地のラプラックという村に辿り着きます。

ヒマラヤの深い山々の、標高2200mの傾斜地にある村。

壊滅的な被害を受けたその村で、ある少年と出会ったことから、全てははじまります。

石川監督が取材を終えて村を離れる際に、少年と2つの約束をしました。

「また、村に戻ってくること」

「この孤立した村の惨状を世界に伝えること」

 

映画の完成が2017年。

それ以降、全国各地でキャラバン式に上映会が開催されました。

石川監督が少年と果たした約束の一つ「伝えること」が、この映画という形になりましたが、

ジャーナリストとして『伝える』以外に自分ができることを真剣に考えたそう。

 

その答えとして、現在でも”未来に向けた支援”と”支援の輪を広げる活動”を続けていらっしゃいます。

例えば、映画をご覧になった関東圏のとある病院から申し出があり、ラプラック村から若者を受入れ、生活全般を支援しながら教育や経験を積んでもらい、いずれ看護師として村に着任していただく、というプロジェクトに繋がったそうです。

 

スクリーン越しにどこか同じ血を感じるネパールの人々に親近感を抱きつつ、

自然への崇拝と畏敬の念、神の存在を疑わない人々、そこに生きる家族や隣人との結び付き・・・

個人的には、絆とか家族愛という表現よりも、”地縁”が近いように感じました。

 

映画の中の少年、当時14歳の”アシュバドル”は、好奇心旺盛ないたずらっ子そのもので、瞳がクルクルとよく動き、そして、よく働く。

そして、この少年には、おしゃまで勝気だけど、両親が大好きな優しい妹がいて、おそらく、観客はこの妹のファンになってしまう。

トークセッションでは、特にこの兄弟の大いなる魅力について、石川監督が語る場面が多かったです。

 

映画が完成した2年前、東北各地、熊本県など被災地おいて上映され、大変な反響があったそうです。

機会がありましたら、多くの方々にご覧になっていただきたいと思う映画です。

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