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吾妻小富士~カラフルな岩石達と火口一周の空中散歩~

2020/11/05

一切経山(いっさいきょうざん)下山直後、浄土平レストハウスの窓際で早めの昼食をとりながら、選択を迫られていました。

今残された体力で、目の端に見える「吾妻小富士」に登るのかどうか。

(そもそも自分の体力のバロメーターがまだ分からない)

そして、雲に覆われた山頂を目まぐるしく移ろう雲行きに睨みをきかしつつ

そうそう来れる機会もなかろうと自分を鼓舞すると同時に・・・

食べ終わるころには「晴れる(はずっ)」とお天気人間の根拠のない自信でもって「吾妻小富士」の山頂へ向かうことにしました。

天に思いが通じたのか、20分後、雲の切れ間から山頂は誘ってくれた。


決断などと何も大袈裟な話ではなく・・・

浄土平のレストハウスから道路を挟んだ指呼の間、吾妻小富士の火口まで遊歩道(木道)があります。


本格的な装備の登山者のみならず、磐梯吾妻スカイラインの途中で立ち寄った家族連れや団体でツーリング中のバイカーも次々と登って行きます。

(さすがにサンダル履きでは厳しいかも・・・)


福島県を新幹線、または飛行機で通過する際に見えていた「吾妻小富士」の凛とした姿、その山頂にいるという不思議な気分。

山頂から見下ろす、この火山口を50分程度で一周できます。


時計周りで進むようにとの看板があり、一斉に人の流れが出来ました。

そして、一周する間、幾度も細かな水蒸気に包まれていきます。

これがまたひんやりと心地よいこと、この上ない。


自然の織りなす造形の中では、人の存在はとても小さなものだと思わざる負えない。


一部、急峻な登りがありますが、休憩をしながらゆっくり歩けば、贅沢な散歩道。


目を引いたのは地面の色。

一番高いところでは小豆色の土や石。(昔、図鑑で見た恐竜の卵みたいな岩)

深緑のミルフィーユみたいな地層。一層一層の隙間には石がギッチリ詰まっています。


一周終える辺りはごま塩みたいに白と黒の小さな石粒。


後日、限定された地域の中でどうしてこんなに違いがあるのか、地質に詳しい人に尋ねてみた。

あくまで実際に目で見ないと分からないものですが・・・。

一般的に色味はその地の化学成分の違いによるもので、赤色や黒色は鉄分、白色は石英やシリカ成分が多かったり、湖や海などが隆起した部分などなど。

陸や海など全く異なった地域や自然環境が長い長い時間をかけて、地球にギュッと絞り出された姿。

吾妻小富士の火口一周のコース。

磐梯吾妻スカイラインは例年11月中旬頃、冬季通行止めの期間に入ってしまいますが、来年、福島県に訪れて頂き、この雄大でカラフルな地球の不思議を体感して欲しいです。

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