NEWS 〈 青葉環境保全 〉からお知らせ
株式会社近江~環境に人に優しいモノ作り~
2020/08/03
突然ですが・・・縁というものは本当に不思議なもので。
今、目の前にいらっしゃるのは、
以前、ブログ記事でご紹介させて頂いた『ホタテ割り箸』を開発された株式会社近江の近江社長、そして、この度のご縁を繋いでくださった取締役の大久さん。
2019年9月30日 蕎麦を手繰るだけの箸、ではなかった【山形】
今日は、ご多忙中、お時間を作って頂き、塩竃市に構える事務所にお邪魔しているという状況。
初めてお会いするので、いささか緊張しておりましたが、そんな緊張は一瞬で吹き飛ばして下さる明るいお人柄の近江社長。
並々ならぬ努力と不屈の精神で、世に送り出した素材の研究・開発のお話の数々に時間も忘れて、すっかり引き込まれてしまいました。
株式会社近江で開発された素材で商品化された『ホタテ割り箸』は、廃棄されるホタテ貝殻=バイオマスが51%含まれている世界でも指折りの“バイオマスプラスチック製品”
(写真上:繰り返し使用できる”洗い箸”も一緒に撮影しております)
これだけでも、素晴らしい業績であると承知しておりますが、今回は、お話の中で非常に印象に残ったことを。
近江社長は、目の不自由な方から『割り箸は、とても怖いモノ』という言葉を聞いたそうです。
誰でも経験があると思いますが、木製の割り箸は、時にうまくキレイに割れないことがあります。ひどい時には途中でポキリッ。
(ちなみに、使用後の木製の割り箸をさらに折る方もいらっしゃいますが、仕出し・お弁当屋さんからすると分別の際に、凶暴な“ささくれ”でケガをされることもあるようです。)
目の不自由な方は、木製の割り箸を使う際に、うまく割れているのか判断が困難です。
確認のため、触ろうものなら“ささくれ”が容赦なく手指を傷つけます。
この箸は上部の部分に力を入れれば、一発でキレイに割れるような構造にしてあるそう。
そして、近江社長が箸をポキッと折り、説明してくれたのが、このように途中で折れてしまったとしても垂直に断裂するようにしてあるので、手指が傷つかない。
(お話を聞きながら、自分の指の腹でスリスリ。)
ふと思いつき、「ハンディキャップのある方々のお話は、直接、聞きに行かれるのですか?」と尋ねると「そうだよ」と即答。
「こちらはフォークなんだけど」と出されたフォーク。
一瞬、市販されているパスタ専用のものに似ているな、と思いましたが、少々違う・・。
「これは、手指が不自由な人が、柄全体を握って持っても15度傾ければ引っかかるように作ってあるの」
株式会社近江のホームページに大きく掲載されている『環境に人に優しいモノ作り』
大概のモノを作ることが可能であるのに、大量生産や消費促進に走らない。
もっと簡易なモノをたくさん作る技術があるのに、ハンディキャップのある方のための設計を優先する。
近江さんのモノ作りは、それらを大事にしているようです。
世の中が謳う「環境に優しい」すなわち(イコール)「人に優しい」
・・・これは、勿論その通りだと思います。
ただ、これらの商品を見ていると『人に“直に”優しい』という点で、本当の意味のホスピタリティを感じます。
そして、言葉には出されませんが・・・
作り出すモノの素材が環境負荷低減に資することなど「当然だよ!」というスタンスがビシビシ伝わってきます。
そこがまた、カッコいい。